■スバル×ルナ(?)   「独占」■



★流星のロックマン(アニメ&ゲームパラレル設定)★

はい、パラレルです。
ゲーム、流星1の世界が舞台なのですがFM星人たちはアニメの愉快な仲間たちです。
アニメのFM星人たちって本当に憎めなくて面白い。
電波変換装置を見て、今回のネタを思いつきました。



オヒュカスをルナと間違えて押し倒しちゃえ★
(ひゃっほう!)


いちおう基本ギャグの全年齢対象用に手直ししてありますが、
そういうおバカで下品なお話なので苦手な人はまわれ右ッッ!


・・・にてお願いできますと幸いです。








コダマタウンの電波空間で2つのエネルギー体がぶつかりあう。

周波数帯が違うのでエネルギー波によって現実空間が直に破壊されることはないが、
その電波エネルギーが 現実空間のあらゆる機器に影響を与えてしまう。

だから戦闘は迅速かつ、的確に行うのが鉄則。     






『スバル!なにモタモタやってんだ!来るぞ!』     
「バトルカード・モエリング!」






ロックマンの左手に出現する燃え盛る炎の輪。空中から迫る標的に向かって放つ。
しかし敵は左右に蛇行し、軽くモエリングをかわしてロックマンに迫る。
    



「うわあっ!」


なんとか敵の体当たりをかわすロックマン。体勢を立て直し、敵と対峙する。
蛇のような体を持ち、獲物を狙うように体勢を低く保ちながら間合いをつめてくる女・・・・・・・。     






『オヒュカス!!』     

「・・・今のワタシはオヒュカス・クイーンだ、ウォーロック。」






キグナス・ウイングの宿主である宇田海がFM星人のために発明した“電波変換装置”。
これによって地球に残されたFM星人たちは宿主となる人間がいなくても、
電波人間に姿を変えることができるようになった。

オヒュカスは自分の体内に残された人間のデータをこの装置によって引き出しているのだ。     






『どうしたスバル!押されっぱなしじゃねえか!シャキッとしろ!』     
「そ、そんなこと言ったってアイツ強いよ・・・!」     



「スネークレギオン!」








数多の蛇がロックマンに向かって放たれる。慌ててカードをプレデーションさせるロックマン。     






「バ、バトルカード・タイフーンダンス!」




ロックマンが体を回転させると体のまわりに竜巻が発生し、迫る蛇たちを次々に弾き飛ばす。
蛇たちが弾かれ、オヒュカス・クイーンまでの進路が開拓される。
すぐさま、次の攻撃に移るロックマン。
    



「バトルカード・プレデーション!リュウエンザン!」     
『今だ、スバル!飛び込め!』



オヒュカス・クイーンの懐に素早く潜り込むロックマン。
左手の炎の剣をオヒュカス・クイーンめがけて振り上げる。     








「たああーーーっ!!」     
「ぎゃああああーーーーーっ!!」









ウェーブロードから転落するオヒュカス・クイーン。
落下しながら周波数帯を変えて現実空間に逃げる。     



『手ごたえはあったがヤツはまだくたばっちゃいねえ!逃がすんじゃねえぞ!』     
「うん!わかってる!」



ロックマンも追って現実空間に向かう。
可視周波数帯にでたところでウォーロックは目を丸くする。     







『・・・・変だな。現実空間にでた途端、ヤツの周波数が消えた・・・・・・・。』     
「ええ?見失ったってこと?」     
『いくらなんでもこんないきなり消えるなんて不自然だ。・・・やな予感がするな・・・・。』     

「と、とにかく捜してみるよ。適当に走ってみるからなにか嗅ぎつけたら教えて。」



現実空間を走りまわるロックマン。
しかし電波空間にいるときなら気にならない人の目がやたら気になる。
ロックマンの姿は街中ではかなり目立つのだ。

人々の視線とひそひそ声を気にしつつ街をゆく。     







「うう・・・。皆こっち見てる・・・・。恥ずかしいなぁ・・・・・(恥)」



路地裏でうずくまる人影。その姿は白金ルナそのものだ。・・・・しかし彼女はルナではない。
電波変換装置はただFM星人を電波変換させるだけではない。
体内にある宿主のデータを引き出し仮初ではあるがその宿主の姿に変わることも可能だ。
その際、周波数も人間のものに近くなるため
ウォーロックに 周波数を嗅ぎつけられることもまずない。     



「く・・・くそ・・・。この傷ではすぐにここから動くことは難しいな・・・・。」



痛みに耐えながらこれからどうするかを考えるオヒュカス。
仲間に救助信号を送ればそこからFM星人独特の 周波数を持つ電波が発生してしまう。

・・・仲間は呼べない。

ルナの姿で傷が癒えるのをここで待つしかないのだ。     



「あー、もう!どこにいるんだよオヒュカスっ!」     
『イラつくなよ。ヤツにはかなり深手を負わせた。満足に動くことすらできねえはずだ。』     

「じゃあ、近くにいるはずだよね・・・。隠れてるのかな・・・・」



ふと足を止め、薄暗い路地裏を覗きこむロックマン。なにかうずくまっている影がみえた。     






「(ん・・・・?なんだ、あれ・・・?)」



そっとその人影に近づくロックマン。顔を確認しようと彼女の肩に手を伸ばす。
振り向くオヒュカスとロックマンの目があった。     



「!!(しまった!見つかったか!)」     
「いっ・・・・、委員長!?どうしてこんなところに!?」     




「・・・・・・えっ?」






思わずポカンとしてしまうオヒュカス。
やられると思っていたが、ロックマンには敵意などまるでない。
それどころか、怪我をした自分の体を見て驚きを隠せない様子だ。     



「ど、どうしたの、その怪我!?何があったの?」



オヒュカスは懸命に考えを巡らす。
このロックマンの反応からして自分がオヒュカスであることはばれていないようだ。
そして以前宿主にしていたこのルナという娘はどうやらロックマンの顔見知りのようだ。

ここで自分がオヒュカスだとばれればそれは即、死を意味する。
なんとしてもこのルナという娘を演じきらなければならなくなった。
必死で演技をするオヒュカス。     



「さ・・・、さっきこのあたりの電波が乱れて信号が狂ってしまったの。
それで事故があちこちで起きてワタシも巻き込まれてしまったの・・・・・。」     

「で、電波の乱れ?・・・それってさっきオヒュカスと戦ったときのことだ・・・・・・!」



ロックマンはさっき自分がオヒュカスと戦闘を行った際の電波のせいで彼女を傷つけたと思いこんでしまう。
申し訳ない気持ちでいっぱいになり彼女に謝罪する。     



「・・・・ゴメン・・・。ボクがもっと早くFM星人をやっつけてさえいれば・・・・・・・。」     
「あ・・・、あなたのせいじゃないわ・・・・・。気にしないで・・・」     
「すぐ、病院に行こう!ウェーブロードにのればあっと言うまだから!」     
「えっ?えっ?」



ロックマンはオヒュカスを抱き上げるとウェーブロードに飛び乗る。
そのままウェーブロードづたいにコダマタウンの病院向かう。
ルナの姿をしたオヒュカスは空中浮遊状態だ。



病院に着くとロックマンは病院の中庭にオヒュカスを降ろし、電波変換を解く。     



「じゃあ、委員長を連れて行ってくるからこのあたりで待ってて。」     
『ちぇっ、しゃあねえなぁ。』



スバルがそう言うとウォーロックはどこかに飛んで行ってしまう。
ふたりの行動が理解できず、スバルに尋ねるオヒュカス。     



「・・・・なぜウォーロックはこの建物に入らないのだ?」     

「電波生命体から出るZ波は医療機器に影響を与えることがあるんだよ。
患者さんの命にかかわること だからウォーロックは病院内立ち入り禁止にしてるんだ。」



オヒュカスの目が光る。・・・つまり病院内でスバルは完全な丸腰状態だということだ。
願ってもないチャンスが巡ってきた。うまくやればロックマンを騙し討ちすることができる。     



「さあ、行こう。」     
「ええ・・・・・・。」



オヒュカスの手をとり病院内へ向かうスバル。そのスバルの横顔をじっと睨むオヒュカス・・・・。
病院の待合室。しばらくオヒュカスの手を握ったまま横に座っていたスバルが席を立つ。     



「ゴメン、委員長。ボクちょっとトイレに行ってくるから・・・・・。」



チャンス到来。さすがに待合室のような、人が大勢いる前では騙し討ちはできない。
でもほどよく手狭で人気の少ないトイレなら・・・・・・・・・。
獲物を狙うようにスバルのあとをそおっとついて行くオヒュカス。     



「(傷のせいで機敏な動きはできない・・・。ならば至近距離まで近づいて・・・・。)」



手を洗っているスバルの背後に袖口から毒蛇をのぞかせたオヒュカスが迫る。
スバルののど元を毒蛇が襲いかか・・・・ろうとしたのだが。     







「おねえちゃあん。ココ、女の子は入っちゃだめなんだよ〜?」     
「!!」     

「あれ?委員長、なんでここにいるの?」



背後から男の子に声を掛けられあえなく失敗・・・・・・・・。



されるがまま診察を受けるオヒュカスだったが、人間の医療機器の性能の良さに目を見張る。
あれだけひどくやられた傷が通常に生活しても問題ない程度まで回復していく。     



「・・・すごいものだな。ほとんど痛みが引いてしまったぞ。」     
「でも数日は安静にって言われてるじゃないか。今日はもう休んだほうがいいよ。家まで送ってくから。」     

「(・・・・・優しいのだな。なぜだ?)」



スバルに手を引かれたままオヒュカスはルナの家まで引っ張られていく。
訳もわからずオヒュカスはスバルに促されるままルナの部屋のベッドに向かう。
早く横になったほうがいいと言われたので当然オヒュカスはそのままの装いでふとんに入ろうとする。     



「・・・ブレザーのままでふとんにはいるの?寝苦しくないの?」     
「(ギクッ)そ、そうね、き、着替えたほうがいいわよね・・・・。」



オヒュカスはタンスの中からパジャマを探す。・・・・しかし、どれを着ていいのかわからない。
適当にいろいろ引っ張りだしてみる。スバルの反応で判断するしかないのだ。     






「・・・それ学校の体操服・・・・・」     
「ええ?!水着で寝るの?」     
「ゆかた・・・。寝れなくはないけど帯ジャマじゃない?」     


「かわいいパジャマだね。いつもそれで寝てるの?」     
「(!これか。)え、ええ。そうなの・・・・。」






オヒュカスは今着ているブレザーをバサバサと脱ぎだす。
恥じらいもなにもないオヒュカスにスバルはつい声をあげてしまう。     








「わああ!ちょ、ちょっと委員長っ!?」     


「(!?今度はなんだ?)・・・な、なあに?」







「ボ、ボクに見られても平気なの・・・・・?」
「何か・・・マズいのかしら?」
    


「い、いいんだ・・・・(照)」     






「(・・・しかし・・・コイツ何枚重ね着してるんだ?今着ている布を全部脱げばいいのか・・・?)」






スバルの前でなおもバサバサ脱ぎつづけるオヒュカス。
大胆にもパンツまで脱いでしまった。

これにはさすがに驚いてしまうスバル。慌てて声をかける。     






「ちょっ・・・!なんでパンツまで脱いじゃうの?!(恥)」     


「(ええい!オマエが着がえろって言ったんだろうがっ!)・・・だって着がえろって・・・・。」






真っ赤になったまま、固まってしまうスバル。
どうも今日の彼女は様子がおかしい。
こんな、自分から脱ぎ出すなんて照れ屋のルナからは考えられない。
怪しむスバルだが、彼女の生まれたままの姿を見ているうちにだんだん思考がマヒしてきてしまう。     



「(・・・・待てよ。もしかしてこれってボクを誘ってるのかも・・・・・・)」     
「(なんだ?コイツ固まってしまったぞ。脱げばいいのか着ればいいのかわからん・・・・)」



裸のオヒュカスとスバルはしばしそのままで見つめあう。
スバルがどもりながら尋ねる。     



「ね、ねえ・・・。なんで裸のままでいるの・・・・・・?」     

「・・・オマエを待ってるのだが・・・・(早く脱げばいいのか着ればいいのか指示しろ)」     



「ボ、ボクを待ってる!?(や、やっぱり誘ってるんだ!)」



スバルの胸が高鳴る。
あまりの嬉しさに思わずオヒュカスをベッドに押し倒すスバル。
しかし、オヒュカスはスバルがなにをしようとしているのかがさっぱりわからず混乱するばかりだ。     



「な、なに・・・・・・?(な、なんだ?!どうしたというんだ?)」     
「・・・・・・委員長っ・・・・・・・!」     
「(コ、コイツ急に様子が・・・!)・・・くっ!」




FM星人であるオヒュカスにとって人間の性的抱擁は快感を覚える行為ではない。
体中に鳥肌が立ち、硬直してしまう。     



「(ぐわあぁ・・・・。き、気持ち悪いっ・・・!何をしてるんだコイツっ・・・・!)」




何をしてるのかわからないが耐えられない。     



「・・・・・・っ!うわああっ!」



たまらずその場から逃げ出すオヒュカス。裸のままルナのマンションから飛び出していく。
マンションの廊下でオヒュカスと本物のルナがすれ違う。
ニアミスのため互いの存在には気づかなかった。
ルナはどうやらバイオリンの稽古の帰りらしい。片手にバイオリンケースを持っている。     



「はぁ・・・・。今日も疲れちゃったわ・・・・・。」



そうつぶやきながら自分のマンションのドアを開ける。・・・・・・・・・すると。
いきなりルナの目にとびこんできたのは玄関前で仁王立ちになっているスバルだった。
びっくりでハプニングな出来事にルナは思わずバイオリンケースを取り落とす。




・・・・・・・・・どうしよう、どこからツッコんだらいいのだろう。



どうしてスバルが自分の家にいるのか?
どうしてスバルの着衣が乱れているのか?




いや、ツッコむ必要なんてない。ルナの中で結論はすでにでているのだから。



・・・・・・・・・・・結論。     







「いやあああぁっ!!変態ぃーーーーーーーーーーっ!!!」







ルナの悲鳴と強烈なビンタがクリティカルヒットする音がマンション中に響きわたる・・・・・・・。



なんとかFM星人たちの秘密基地に帰還したオヒュカス。しかし仲間たちからは非難轟々だった。
    



「そんな、願ってもないチャンスを逃すなんざ、能無しのすることだな。」     
「電波変換してない状態の人間をやってしまうくらいたやすいだろうに・・・・・・・・。」     

「大まぬけブクねぇ〜♪」     
「う、うるさいっ!仕方ないだろう!あんな気持ち悪いことされてそれどころじゃなかったんだ!」     

「・・・・しかし、そのルナという娘の姿は使えるな。」     


「え?」     



「お前の話からして恐らくその娘はロックマンの恋人だ。ヤツに付け入りやすい。」     
「こ、恋人に対して人間はあんな気持ち悪いことをするのか?!信じられん!」     
「・・・そりゃ、人間同士の交尾だからだろう。オレたちに理解できなくて当然だ。」     
「あやうくヤツの子種を植えつけられるところだったのう、オヒュカス。」     

「こ、子種・・・・・・・・・・・・(怯)」     
「よしオヒュカス、も一度ロックマンを誘い出して始末してこい。今度はしくじるんじゃねえぞ。」



勝手なことばかり言う仲間たち。
気の進まないオヒュカスだが皆の言うことも確かなのだ。

翌日。朝のホームルーム前から教室内にスバルとルナの口論の声が響く。     



「だから、ちゃんとボクの話を聞いてから言ってよ、そういうことは!」     
「あれはどう言い訳したって犯罪なの!警察に通報されなかっただけでも感謝しなさい!」     
「確かに、焦りすぎたのは悪かったよ!でもあれは明らかにキミから誘ってきたじゃないか!」     
「なにわけのわかんないこと言ってるのよ!夢ならベッドで見てちょうだい!」     
「スバル君、委員長。全然会話になってないよ。ホームルームまでまだ時間あるから他のところで じっくり話してきたらどうかな。」



ツカサがふたりのあいだに割って入る。しかしふたりは聞く耳を持たないようだ。
仕方なくツカサはふたりに耳打ちをする。     



「何やったのか知らないけど、なんだか会話がアッチの方向にいっちゃってるよ。
クラスの皆のまえで 失言しちゃわないうちに場所を変えたほうがいいんじゃないかなあ・・・・?」



ふたりはギクリとして顔を見合わせる。いそいそと人気のない屋上へと移動する。     



「なんか会話がかみ合ってないから・・・まず、話を整理しよう。」     
「そうね。じゃあまず、どうしてあなたがあんなカッコで私の家にいたのか説明してちょうだい。」     

「事故に遭って怪我したキミを病院に連れて行ったあと家まで送って行ったんだ。
そこで・・・その、 なんだかそういう気持ちになっちゃって・・・押し倒した・・・・・・。(恥)」     



「・・・・・私じゃないわね、それ。」     
「・・・・・・・・・・・え?!」     
「私、昨日はバイオリンのお稽古だったの。終わって帰宅したらあなたがいたってわけ。」     



「に、にせものぉ!?」     



『・・・・オイ、スバル。ひょっとして昨日オマエが抱いたオンナはオヒュカスじゃねえのか?』     
「オヒュカスだって?!・・・・そうか、あいつ以前委員長と電波変換したんだっけ・・・・。」     
『ならマズイな。早くヤツを探しださねえといろいろ厄介なことになるぞ。』     
「そうだね。委員長の存在がヤツらにばれたら委員長が危険だ。」     



「それって・・・・・FM星人の女?」     
「うん。あいつ多分キミに化けてたんだ。それでボクがキミと勘違いして・・・・・・・・。」     



「・・・・・で、押し倒したのね?」     
「え?・・・あ、うん・・・・・・。」



責めるようにつめよるルナ。
昨日の真相は明らかになったがルナは怒りのあまり涙目になっている。
その気迫に押されてしまい、数歩さがってしまうスバル。ルナの怒りが爆発する。     



「信じられない!いくら騙されたとはいえ他の女とエッチしちゃうなんてあんまりだわ!!」     


「・・・・・・・・え?」     
「大体、姿は同じでも中身は全く違う宇宙人の女なんでしょう?!何で気付かないのよ!」     
「あ、いや、おかしいなぁとは思ったんだけど、あいつがいきなり脱ぎだしちゃったもんだからつい・・・・」     
「それはもう、立派な浮気だわ!ぜったい許さないんだから!」     



「ちょ、ちょっと待ってよ委員長!今それどころじゃないんだ、
はやくヤツを探しださないとキミが ヤツらに狙われて危険なんだ・・・・」     

「それどころじゃないですって!?よくもまあそんなことが言えるわね!」



スバルとルナの危機意識がまるで別のところにあり、またも会話が成り立たなくなっている。
ルナの憤りがわからないわけではないが、彼女の安全確保が最優先と判断したスバルは電波変換する。
    



「電波変換!星河スバル、オン・エア!」



スバルの体がバシュッと黄緑色のエフェクトに包まれ、中からロックマンが現れる。
ルナはその姿に驚きつつもロックマンに向かって怒鳴る。     



「ちょっと!都合悪いからって逃げる気!?」     
「ゴメン、委員長!あとでちゃんと話聞くから!」



そういうとロックマンは電波空間に消えてしまう。     



「なんなのよう!あのバカスバルーーーーーーーっ!!!」



ウェーブロードを疾走するロックマン。ウォーロックがFM星人の周波数を探る。
あたりを見回しながらロックマンは思わずためいきをもらす。     



「はぁ・・・・。まいったなぁ・・・。委員長になんて謝ろうかなぁ・・・・・・・・・・。」     
『最後までヤッてねえんだから別にいいんじゃねえか?』    
「・・・・・・!!うわあっ!?」




ウォーロックの言葉に真っ赤になってしまうロックマン。足元がおぼつかなくなって転倒する。     



    
『オイオイ、しっかりしろよ・・・・・。』     
「うわああん!プライバシーの侵害だぁ、この宇宙人――っ!!(恥)」



コダマタウンの街を歩くオヒュカス。もちろんルナの姿に変身している。
ロックマンを誘いだして始末するといっても、いったいどうすればいいのかわからない。     



「まずはロックマンを探さなくては。そのあとは・・・具体的にどうすればいいのだ?」



昨日のように服を脱いでしまったらロックマンの様子が変わってしまった。今日はそれは避けたい。
ロックマンを油断させるいい手はないものだろうか。悩みつつ歩いていると上から声がした。     



「見つけたぞ、オヒュカス!」




空中のウェーブロードから飛び降りつつ、電波空間から現れるロックマン。
オヒュカスの前に着地し、険しい表情でオヒュカスをにらみつける。     



「・・・・・昨日はよくもダマしてくれたな。」     
「や、やだ、怖い・・・・。なんのこと・・・・?(汗)」



しらを切り、ルナのふりをするオヒュカス。その態度に苛立ちを覚えるロックマン。
本物のルナは今学校にいるはずだ。さっきまで自分と一緒にいたのだから間違いない。     



「もうだまされないぞ!今、本物がここにいるわけがないんだ!」     
「ひ、ひどい!どうしてそんなこと言うの!?ワタシが偽物だって証拠はどこにあるの!?」     
「さっきボクは本物に会ってきたとこなんだ!だから・・・・・・」     





「みつけたわよ、バカスバルっ!!」






建物の影から本物のルナが現れる。どうやらロックマンを追ってきたらしい。
学校にいるはずの本物のルナの登場にロックマンは目を丸くする。     



「い、委員長!?どうしてここに?!」     
「おだまり!この浮気者っ!・・・ははぁん、私にそっくりな女ってあなたのことね?」     

「(こ、これが本物・・・!なかなかキツイ女だな・・・よし)ちょっと!人を偽物扱いしないでちょうだい!」



オヒュカスは目の前に現れた本物のルナになりきり切り返す。なかなかの演技力だ。     



「何言ってるのよ!本物は私に決まってるでしょう?!いい加減にしないと怒るわよ!」     
「偽物に限ってそういうことを言うものよ!あなたこそ正体を現しなさいよ!」



ふたりのルナがとっくみあいになる。ロックマンは首をかしげてウォーロックに尋ねる。     



「・・・・・あれ?さっき後から来た本物の委員長ってどっちだっけ?」     
『なんだよ、オマエが見てたんじゃねえのか?!』     
「やば・・・・(汗)わかんなくなっちゃった・・・・・!」



なおもいがみあうふたりのルナを前に冷や汗ダラダラのロックマン。     



「こうしててもラチがあかないわ!ここはスバル君に決めてもらいましょう!」     
「ええっ!?ボク!?」     
「そうよ!恋人なら宇宙人か本物かくらい見分けられて当然だわ!」     
「えええ〜〜っ!?」



困り果てるロックマン。わかりませんなんてルナに対して言おうものなら確実に半殺しだ。
でも、鏡に映したようなふたりをどうやって見分ければよいのだろう。     



『オイ、なんかねえのかよ、オマエらふたりだけのヒミツとかよ。』     
「い・・・いきなり言われても思いつかないよう・・・・・。(困)」     

「なにごちゃごちゃ言ってるのよ、早く!」



頭を抱えてしまうロックマン。どうしよう。何かいい手はないものだろうか。
ふたりのルナをまじまじとみつめる。昨日の偽物のルナの行動を思い出し、ロックマンはハッとする。     



「(確実に殴られそうだけど・・・これしかないよな。)ふたりともちょっとそこに立って。」     
「・・・・・?なにする気なの?」



ロックマンはふたりを少し離して立たせる。つかつかとふたりに歩み寄るロックマン。
ふたりのルナのあいだをすり抜けざまにふたりのスカートを同時にめくりあげる。     



「エイッ!」     
「きゃああっ!?」     

「・・・・・・・・・?!」     



『オイ、いきなり何やらかすんだオマエは・・・・・(汗)』     
「しっ!黙ってて、ウォーロック!ふたりの反応が・・・・ぶっ!?」     
「いきなり何するのよ、このバカスバルっ!!」



悲鳴を上げたほうのルナが思い切りロックマンを張り倒す。地面にべちゃっと倒れるロックマン。     



「いてて・・・。へへ、やっとシッポ出したな!」



ロックマンはそう言うと自分を張り倒したルナの手をつかみ笑う。
手をつかまれたルナは怯えた顔でロックマンをみつめる。     



「え・・・!やだ、ちょっと、やめて・・・・!」     

「オヒュカス!!」



ロックマンはつかんだ手をそのまま自分のほうへ引き寄せ彼女を抱きしめる。
それと同時に左手のバスターを立ったまま動かなかったルナへ向けて放った。     



「ぎゃ・・・ああああーーーーーっ!!!・・・・・な、なぜわかった・・・・・・・!」



偽物のルナは悲鳴を上げ、FM星人オヒュカスの姿に戻る。
オヒュカスへバスターを構えたまま、ロックマンは質問に答える。     



「昨日お前は服を脱ぐってことにまるで抵抗がなかった。ならスカートめくられたくらいじゃ動じないの は当然だろ?
・・・・・・・・そりゃそうだよな、FM星人たちは皆服なんて着てないもんな。」     


「ち・・・、地球人は服を脱ぐのに抵抗があるものなのか・・・?」     
「あ、当たり前じゃない!あなた、人の姿借りておいてあまり恥ずかしいことしないでちょうだい!」     





「・・・でもロックマンは自分から脱いでいたぞ・・・・?あれはなんだ。」     
「うえっ!?あ、いや、あれは特別だよ、えと、どう説明したらいいのか・・・・・(恥)」     


「説明しなくていいっ!!(怒)」     




『なに漫才やってんだスバル!来るぞ!』






ウォーロックの声でロックマンはオヒュカスのほうに目をやる。
オヒュカスのまわりを赤紫のエフェクトが包みこみ、中からオヒュカス・クイーンが現れる。



「ゴルゴンアイ!」




オヒュカス・クイーンの目から野太いビームが放たれる。ルナを抱えてあわててかわすロックマン。     



「きゃああっ!もう、危ないじゃないのよっ!私こんなとこで死ぬなんてイヤよ!」     
「大丈夫だよ、下がってて!・・・・・・キミは死なせないから。」



ルナを地面に降ろし、真剣な眼差しで答えるロックマン。
ルナはついドキッとしてしまうが、すぐいつものように意地を張った切り返しをする。     



「あ、当たり前でしょう!?そのための力なんでしょ?・・・信じてあげるからしっかりやりなさい!」     
「・・・・・うん!ありがと委員長!」



ルナに励まされ、勇気100倍のロックマン。オヒュカス・クイーンに向かって駆けていく。
走りこみながらカードをプレデーションさせる。     



「バトルカード・プレデーション!ジェットアタック!」



ロックマンが黄色のエフェクトに包まれ、すごい勢いでオヒュカス・クイーンに突っ込んでいく。
ガード無視の貫通攻撃。防ぎきれないと判断したオヒュカス・クイーンは慌てて避けるが間に合わない。
頭部パーツの右側をロックマンに持っていかれてしまう。     



「くっ・・・・・・・!お、おのれ!スネークレギオン!」



ジェットアタックで通過したロックマンの背に向かって毒蛇を放つ。
技を繰り出した体勢のままでは身動きがとれず、ロックマンの体の至るところに毒蛇が食らいつく。     



「・・・・うああっ!」     
「クイックサーペント!」



毒蛇に咬みつかれ、ひるんだロックマンに追撃で体当たりをかけるオヒュカス・クイーン。
衝撃でふっとばされたロックマンに自分の蛇のような体を巻きつけて締め上げる。     



「・・・・・・このまま絞め殺してやる・・・・・・・・・!」     
「がはっ・・・・・・・・!ああっっ・・・・・・・・!」     



「ああっ!スバル君っ!!」






形勢は明らかにオヒュカス・クイーンが有利だ。
ルナはいてもたってもいられずそのあたりにあったゴミ箱を 思い切りオヒュカス・クイーンの背中めがけて投げつける。     



「ス・・・スバル君を放しなさいよ!このヘビ女っっ!!」     
「だ・・・・・だめだ・・・・・・・・にげて・・・・・・・・!」



ルナの攻撃などオヒュカス・クイーンに通じるわけはないのだが、
彼女の行動に苛立ちを覚えたオヒュカス・クイーンはルナを睨みつけ攻撃をしかける。     



「小娘はひっこんでいろ!・・・・ゴルゴンアイ!」     
「うぐ・・・・!(し、しまった!委員長っ!)」



ゴルゴンアイのビームがルナめがけて放たれる。ロックマンは力を振りしぼりプレデーションする。     



「バトルカード・オーラ・・・!」



ロックマンのまわりに強力なオーラが発生し、オヒュカス・クイーンの体からロックマンが解放される。
しかし今からルナのもとへ向かっても間に合わない。ロックマンはビームの軌道上に割って入り、
ルナのかわりにビームを受ける。     






「くっ・・・・・・・・・・!」     



「スバル君っっ!・・・・・・・・・いやあああーーーーっ!」







ビームを受けて倒れるロックマン。倒れたままピクリとも動かないロックマンをみてルナは悲鳴をあげる。
倒れたロックマンにつめよりトドメを刺そうとするオヒュカス・クイーン。・・・しかし。     



「ス・・・っ、スバル君は・・・ぜ、絶対死なせないんだからっ・・・・・・・!」



オヒュカス・クイーンの前に立ちはだかるルナ。恐怖で手足は震え、目からは涙がこぼれる。
でもルナは退かない。自分を無理やり奮い立たせオヒュカス・クイーンを睨みつける。     



「・・・・・・ひっこんでいろと言ったはずだが?」     
「あっ・・・あなたの言うことなんて聞けるわけないでしょう?」     



「ならば、ふたり仲良くワタシの毒蛇たちの餌食になるがいい!!」     








「ふざけるなっっ!!」







ルナの影からロックマンのファイアバズーカが火を噴く。
油断していたオヒュカス・クイーンはノーガードのまま弱点属性の炎攻撃をマトモに喰らってしまう。     









「ぐ・・・・あああああーーーーーーっっ!!!」     


「や、やったぁ!」







再び倒れこむロックマンを支えつつ、喜びの声をあげるルナ。
しかしオヒュカス・クイーンは燃え盛る体のままふたりに襲いかかった。     



「お・・・・・・・おのれぇえぇぇっっ!!!」     
「きゃああああっ!」     






「・・・ダ、ダークネス・・・・ホールッ・・・・・!」






突如、オヒュカス・クイーンの足元に暗黒の渦が発生し、オヒュカス・クイーンを飲みこむ。
足元から迫る暗黒の渦に恐怖しながらオヒュカス・クイーンはロックマンに向かって叫ぶ。     



「な・・・なぜだ・・・!なぜゴルゴンアイを喰らってそこまで動ける・・・・・っ!」     
「へへ・・・。」



ロックマンはルナに支えられながら力なく笑った。
オヒュカス・クイーンの姿が暗黒の渦の中に消える直前、どこかへ消える。     








「くそおおおぉーーーーーーーーっっ!!!!」







デリートを逃れ、うまく逃げられてしまったようだ。
そのとたん、ロックマンの電波変換が解け、スバルの姿に戻る。     



「スバル君!しっかりして!すぐ病院へ・・・・・・!」     
「だ、大丈夫だよ・・・。毒で痺れてるだけだから、病院行かなくても平気・・・・。さっき解毒剤打ったから もうすぐ動けるようになるから・・・・。」     




「うそ!だって、私をかばってあのビーム受けたじゃない!平気なわけないでしょう?!」





なみだ目でスバルに怒鳴るルナ。しかしスバルはぺろっと舌を出して笑ってみせる。     





「あのビーム受ける直前にボク、“オーラ”使ってたから実は痛くも何ともなかったんだよね・・・(笑)」     



「で、でもそのあと倒れたまま動かなかったじゃない!あれは!?」     


「・・・毒がまわって動けなかっただけ。キミがヤツの注意を引いてくれたおかげで解毒剤も打てたし不意打ちもできた。今回は守るつもりが守られてばっかりだったね。・・・・ゴメン。ありがと・・・・」     



「・・・・まったくだわ。ほんとに世話のやけるヒーローなんだから・・・・・・!」






ルナはそういうとスバルを思い切り抱きしめる。少し照れながら苦笑いをうかべるスバル。







    



「・・・・今度間違えたら絶対許さないからね。」     
「うん。煮るなり焼くなり好きにしてくれていいから。」     



「・・・・・・言ったわね?本気で煮るし、焼くから覚悟しなさい。」     



「あはは・・・・(汗)あ!それより委員長、学校は?早退?」     





「・・・・・!・・・・ああーーーっ!し、しまったホームルーム抜け出してきたままだったんだわ!」     





「・・・もう、昼すぎだし今日はもうお休みしちゃえば?」     
「なに言ってるのよ!学級委員長の私がズル休みなんてできるわけないでしょう?!行くわよ!」     
「ええっ!?ボクも?!」     
「当然よ!ただでさえあなたは登校日数が少ないんだからこの1日は貴重なの!」








そういうとルナはずるずるとスバルを学校へ引っ張っていく。5時間目からの登校。
スバルにとってはめんどくさいことこの上ない。     








「・・・・・・まぁ、いっかぁ・・・・・・・・。」








苦笑いしつつも繋がれたルナと自分の手をみつめ、スバルも駆け出していく。











                                   



おしまい。2007/04/16作成 15
      2009/02/25 校正

















●あとがきもどき●

校正作業、今までで一番大変だったッ・・・・・!
直した端々から怪しいオーラが漂う文章になってしまって原文が18禁なのバレバレ。
オヒュカスは大人な雰囲気漂うキャラだけど、
実はソッチに関しては意外と奥手だったりすると可愛いんじゃないだろうか!
・・・・とか思ったのがこの話を考えた始まり。
スバルナっつーか、スバオヒュっつーか・・・。

なんとも言えないお話だけどこんなおバカな展開、好きです。
アニメのオヒュかあさんてば、なんて可愛いんだろう♪



そして、今気づいた事実。
ゴルゴンアイてオーラで防げたっけ・・・・・・・・?(爆)




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