■ルナメイン     「変貌」■



★流星1(ゲーム設定)★

ルナがオヒュカスにとりつかれるあのあたりを ルナ視点でまとめてみた。

スバルを意識し始めるルナが可愛いったら!

そしてスバミソデートの後をつけちゃうトコ!
超かわいいいぃぃ・・・・!


「・・・・だいじょうぶ、 キミはぜったいにまもるから・・・・。」


くっそう! カッコよすぎるぜ、スバルッッ!

ってワケでそこらへんの話です。
スバルナ派の方は皆大好きなトコじゃないでしょうか。














最近、私のまわりでは、奇怪な化け物の事件が頻繁に起きている。




ゴン太が牛の化け物になって街のポストや赤いものを破壊した事件。
天地研究所で研究員が翼を持った化け物になって研究員たちの自由を奪った事件。
担任の育田先生が化け物になって学習電波を暴走させた事件。





私はすべての事件でなにかしらの被害を受けている。


そしてまた、下校しようとする私たちを化け物が襲ってきた。









・・・・もう、いい加減にしてほしい・・・・・・(ゲンナリ。)




「委員長!とにかく学校の外に出るんだ!」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!置いてかないでよっ!」





私とスバル君を襲ったのは赤い大きな体と短い手足をもった化け物だった。しかも2体。
奇怪な声をあげながら私たちに襲いかかる。
スバル君に促されるまま私は彼のあとについて学校内を逃げ回る。


星河スバル。先日まで登校拒否をしていた私のクラスの男の子。
消極的なくせに強情で、文句だけは1人前。
ファッションセンスも変。(何そのメガネ。)
正直私にとってはお世辞にも好印象の持てる人ではなかった。





・・・・そう。今日までは。




いつもは大人しい印象の彼が今日はなんだか頼もしい。
こういうときに腰を抜かさず冷静に対応する姿はさすが男の子だなと感心する。
・・・・でも、彼に命令されるのは気にくわない。しかも偉そう。





「急いで委員長!追いつかれる!」
「な、なによ!さっきから偉そうに命令ばっかりしないで!」
「そんな場合じゃないよ!後ろ後ろーーっ!!」

「えっ!?・・・・きゃああっ!!」





―――――バシン!―――――




・・・・間一髪。すべりこんだエレベーターの扉が閉まる。





「あっ・・・あぶなかったぁ・・・っ!」





狭いエレベーター内にへたりこむ私たち。
こ、ここはスバル君に従ったほうがよさそうね・・・。




「し、仕方ないわね。今だけはあなたに従うけど・・・・あまり命令しないでよね!」
「・・・そんなこと考えてられるキミがすごいよ・・・(汗)」





エレベーターで1Fに降りて正面玄関に向かう私たち。
途中すれ違う化け物共を隠れながらやりすごしつつ、慎重に進む。しかし。





「・・・委員長、ちょっと待って。・・・ここは通れない。」
「な・・・なんであんなとこにいるのよ〜・・・。」
正面玄関前を化け物の1体がうろついている。
あいつにみつからずにここを通りぬけるのは残念だが無理そうだ。





「ど、どうするの?」
「玄関が無理ならここにいても危険なだけだ。戻りながら別の出口を探すしかない。」
「あ、あるの?出口・・・・?」

「わからない。でもここから出なきゃボクらは助からないよ。・・・行こう。」





そう言って歩き出そうとしたとき。
靴箱の影から化け物の声がした。





「!」
「マズイ!委員長、その部屋に入るんだ!」



近くの教室内に慌てて避難する。廊下を化け物が通りすぎる。
扉1枚隔てた場所に化け物がいる。




・・・・・・怖い・・・・・・・。




私はつい弱音を吐いてしまう。


「も、もうだめよ。みつかっちゃう・・・・。」
「委員長、あきらめちゃだめだ。」



「ああ、今一緒なのがロックマン様だったらあんな化け物すぐやっつけて下さるのに・・・・」


「・・・・・・・・・・・。ボクが何とかしてみるよ。」


「え?な、何言ってるのよ。あなたに何ができるって言うのよ?」

「“たとえほんのわずかでも可能性があるなら行動を起こせ”
・・・ボクの父さんの受け売りだけどね。」


「だめよ、無茶だわ・・・・。」















「・・・・だいじょうぶ、キミはぜったいにまもるから・・・・。」














「・・・・・・・!」



私の胸が高鳴った。
強い決意を宿した彼の眼差しに。
スバル君ってこんなカッコイイ男の子だったかしら・・・・・。





「・・・しばらく独りにさせちゃうけど、必ず戻るよ。」

「バ、バカにしないでよ。私は全然平気なんだから。
・・・・でも、できるだけ早く戻ってきなさいよね。」

「うん。わかってる。」





「・・・・・き、気をつけて・・・・・ね。」
「・・・・・ありがと・・・・・。」





優しく微笑むとスバル君は教室を出て行く。





・・・・まだ胸がドキドキしてる・・・・・。
恐怖からのドキドキとはまた違った感覚に私は戸惑いを隠せない。





「スバル君・・・・・。」




私がそうつぶやいたとたん、頭上から降ってくる化け物。
目の前に突然現れた化け物に私はどうすることもできず、硬直してしまう。
動けない私をつかみあげる化け物。
掴み上げたられた途端、急に体が浮き上がるような感覚が私を襲った。
恐怖のあまり閉じていた目を恐る恐るあけてみる。





「・・・・・?な、なによこれ!?」


目の前に広がっていたものは黄金色に輝く空中を走る道。
私の体は宙に浮き、その道の上に立っている状態だった。


「わ・・・私の体・・・どうなっちゃったの・・・?」
「・・・どうだ、電波化した気分は?」


「!」




声をかけてきたのは茶色い、巨大な体をした化け物だった。
今までの赤いやつとは違い、人間に近い体つきをしている。




「わ・・・私をどうするつもり?」
「ロックマンにこの間の借りを返してやるのさ。そのために人質になってもらう。」
「人質?!」

「その女を逃がすなよ、デンジハ人間ども。」





私のまわりをとりかこむデンジハ人間と呼ばれた赤い化け物たち。
自分の置かれた状況が飲み込めず、ただ怯えるだけしかできない私。






「その子を放すんだ!」




男の子特有の高い声が響く。ふりむいてみればそこに立っていたのはロックマン!



ああ!ロックマン様が私を助けに来てくれた!・・・これで・・・・!



「動くな、ロックマン!この女がどうなってもいいのか!」
「あ、あれ・・・?」





しまった・・・・・。そういや私、人質だとかなんとか言われてたっけ・・・・・。
どうしよう。全然ピンチなのは変わりないじゃないの・・・・・・・。





「くっ・・・!卑怯だぞ、ジャミンガー!」
「くくく・・・。そうだ、動くなよ・・・・うらあっ!」




「うわあぁっ!!」




「きゃああっ!ロックマン様っ!」



なによ、あのジャミンガーってヤツ!卑怯にもほどがあるわ!
人質を取られて無抵抗なロックマン様を殴るなんてひどすぎる!



「くっ・・・!こ、このっ・・・!」




ジャミンガーにバスターを向けるロックマン。
しかしジャミンガーは余裕の表情でデンジハ人間たちに命令を出す。


「・・・・デンジハ人間ども、その女の首を締めあげろ!」



私の首に手をかけ、すごい力で締めあげてくるデンジハ人間。



く・・・苦しいっ・・・・!意識・・・・が遠のく・・・・・・・。



「かは・・・っ!ぁあ・・・・!」




「や、やめろーーーーーーーーっ!!」

「・・・じゃあ、おとなしくしてることだ。」



「ぐっ・・・・・・。」


私の首からデンジハ人間の手が離れる。激しくせき込んでへたりこむ。




「ゲホッ、ゴホッ・・・。もう、なんなのよ、死ぬかと・・・・」



「う・・・ああああーーーーっ!!」
「!?・・・ロックマン様っ!」





ジャミンガーはロックマンを地面に叩きつけ、殴る蹴るをくりかえす。
こんなの、みてられない・・・・!ひどすぎる!




「くくく・・・・!骨の軋む音がサイコーだぜ・・・・!おらぁ!」




「・・・・・・!がはっ・・・・・・・!」





ロックマンのみぞおちにジャミンガーのパンチが決まる。
短い呻き声とともに彼の口から出たものは・・・・赤い鮮血。



ああ・・・・私、血はだめなの・・・・。








「・・・ロックマン・・・さま・・・・・・。」




私の意識はそこで途切れた。
ロックマン様はどうなってしまったんだろう。







・・・私のためにあんな・・・・。




「あ、よかった、気がついた?」




気がつくと私は自室のベッドに寝ていた。
スバル君が心配そうに私を覗き込んでいる。


「た・・・助かったの・・・・?」
「うん。化け物たちはもういないよ。」

「・・・そうだわ!ロックマン様はどうなったの!?彼、私のせいでひどいケガ・・・・」
「・・・大丈夫だよ。」

「なんであなたにそんなことわかるのよ!?」





「え?、あ、いや、ボクらがこうして助かってるから大丈夫かなって・・・・」



しどろもどろになって答えるスバル君。・・・でも彼の言うことには一理ある。
そういえば教室を出て行ってからスバル君はどこにいたのかしら?
ちょっと意地悪を言ってみる。





「ロックマン様が来てくれたからよかったようなものの、あなたあのとき何してたの?」
「あ、えっと・・・出口を探して・・・・」

「“キミはぜったいにまもるから”とか言っておいてちっとも助けにこないし!」
「ゴ、ゴメン・・・・。」



「・・・まぁ、あなたはあなたなりに頑張ってくれたから、いいけど・・・・・。」





「あはは・・・・(汗)そ、そういえばキミのお父さんとお母さんは留守なの?」
「・・・・・・・パパもママも仕事でいつも遅いの。家では独りのほうが多いわ。」



「そうなんだ・・・・・・・・・寂しいね・・・・・・・・。」
「・・・・・・私がちいさいころからずっとだから、もう慣れちゃったけどね。」




悲しそうな表情で私をみつめるスバル君。
・・・あなたに私の気持ちがわかるって言うのかしら?
わかりもしないのに、同情するふりする人ほどイヤなものはないんだから。
いっそ、ゴン太みたいに“いいなあ!ゲームとかマンガとか読みまくりだ!”
とか言ってくれたほうがこっちは気が楽なのに。



・・・・それともスバル君もこの孤独の恐ろしさを知ってるのかしら・・・?



「・・・じゃあ、キミの両親が帰ってくるまでここにいるよ。」
「・・・・え?!」





「あ、でもキミがよければだけど。
・・・もしボクがキミの立場だったら誰かそばにいてほしいなって思うから。」





軽く笑ってみせてるけど・・・・スバル君は知ってる。孤独の恐ろしさを。・・・でも。





「・・・男の子とふたりきりでいたなんてパパたちに知れたら色々ややこしいことになりそうだから・・・。」
「べ、別にやらしいことしようとか思ってないよ!?」
「あ、当たり前でしょう!?何考えてるのよ!そういう問題じゃないの!」





「・・・・・・・・・・・(照)」
「・・・・・・・・・・・(照)」






ふたりして真っ赤になってしまう私たち。





「・・・・・帰ったほうがよさそうだね、ボク。」




「わかればいいのよ。で、でも・・・・・・・・き、気持ちだけもらっとくから。」
「うん。それじゃ・・・・!ぐっ、ゴホッ!」





いきなりせき込みだすスバル君。・・・・な、なに?!どうしたの?




「だ、大丈夫?!どうしたの?!」
「な・・・何かノドに詰まって・・・ティ・・・ティッシュ・・・!」





私はあわてて枕もとにあったティッシュ箱を手渡した。
口元をティッシュで押さえ、なおも咳きこみつづけるスバル君。

大丈夫かしら、苦しそう・・・・・・・・。

彼の背中を軽くさすりながら様子をうかがっているとティッシュが赤く染まっているのが見えた。
それをみて私はゾッとなり混乱してしまう。





「ちょ・・・ちょっとやだ、大丈夫!?すぐ救急車・・・っ!」
「だ、大丈夫・・・すぐ・・・よくなる・・・っ・・・。」





そ、そうなの・・・・?だって血吐いてるのに・・・・?
スバル君の言うとおりしばらくすると彼の様子はウソのように安定した。





「心配させてゴメン。ノドの奥に血のかたまりみたいなのが詰まっただけだから。」
「そ、そうなの・・・・。」
「ありがと、それじゃあね。」





そういってスバル君は私の家をでていく。
・・・でも血のかたまりなんてどうやったらノドに詰まるの・・・・?


そういえばさっき、ロックマン様も血を吐いてたっけ・・・・・・・。





・・・・・・あれ?




私のあたまの中でスバル君とロックマン様が重なる。

ちょっと待って・・・・まさか・・・本当に・・・・・。
いままで何度かロックマン様に会ってはいるがスバル君はその場にいたことがなかったのでは?
体つきや声の感じとかも、似ていると言われれば確かに似ている。
学芸会で彼がロックマン役を演じたとき、彼がまるで本物に見えたこともあった。




やだ・・・・・。なんだかドキドキしてきちゃった・・・・・・・。
な、なんでスバル君なんかにドキドキしなきゃならないのよっ!
これは何かの間違い!・・・・そうよ、あんな怖い思いをしたから混乱してるだけなのよっ!





無理矢理自分に言い聞かせる。・・・今日は早めに寝よう・・・・。










―――――――――時間経過――――――――――――









・・・・・・・ってダメえ!スバル君のことが気になって全然寝付けない!




あれ?リビングのほうからパパとママの声がする。帰ってきてたんだ。
なに話してるんだろう・・・・・。





「・・・・またルナが変な化け物の事件に巻き込まれたらしいな。」
「ええ・・・。今回もコダマ小学校内でだそうよ。」
「まったく、この間の学習電波暴走事件といいあの学校は信用できんな。」
「そうね。そもそもルナをあんな公立の小学校に入学させたのが間違いだったのかも・・・・。」
「早いところルナを全寮制の私立小学校に転校させたほうがいいな。」
「わかったわ。じゃあ私は転校先の学校をいくつか当たっておくから。」





私のからだがショックのあまり凍りつく・・・・・。
ちょっと待ってよ・・・・。私が転校・・・・・?




家では私はいつも独りぼっち。でも学校では違う。
ゴン太・・・キザマロ・・・・・・クラスのみんな。そしてスバル君。
私が自分の手で築き上げた居場所。初めてみつけた孤独の恐怖のないところ。


でも、転校してしまえばまた私の居場所がなくなってしまう・・・・・・・・・。










いや・・・・・・!私の居場所を奪わないで・・・・・・・・!









その夜は結局一睡もできなかった。
翌日は日曜日。パパたちはいつものように仕事で留守だ。
日曜なので今日は学校もない。





・・・でも、今日は誰かにそばにいてほしい。




そうだ、ゴン太とキザマロを呼ぼう。
誰かそばにいてくれるならそれで十分。・・・・しかし。




「わりぃ、委員長。オレこれからかあちゃんと戦場タコヤキパーティに行くんだ。」
「すみません。僕、今日は身長のびのびセミナーに出席しますので・・・・・。」




なによそれ!こんなときに限って頼りにならないんだから!
私が転校しちゃったらもう、遊べなくなっちゃうかもしれないのに!



じゃあ残るは・・・・・スバル君・・・・。
彼ならきっと暇してるわよね。
今から彼の家に誘いにいこう。
スバル君を学校に引っ張り出すために足しげく通った彼の家。
行き慣れているからか、あっというまに到着。
チャイムを押そうとした、まさにそのとき。





「かあさーん、行ってきまーす!」
「あわわっ!」




ドアがひらいてスバル君がでてくる。私はあわてて隠れる。



外出の予定があるとは意外だったわ。どこに行く気かしら?
ヤシブタウン行きのバスに乗り込むスバル君。私も後を追って同じバスに乗りこむ。




ヤシブタウンに着くと、スバル君はバチ公前のピンクの服の女の子に声をかける。
相手の反応からして待ち合わせのようだ。





「・・・・・ええっ!?」




スバル君が女の子と待ち合わせをしていたというだけでも驚きなのに、
相手の女の子をみて私は思わず声をあげてしまった。










「あのコ・・・!先日引退した人気シンガーの響ミソラじゃない!」




どうしてスバル君が響ミソラとデートしてるの!?


・・・なんだか腹立たしくなってきた・・・・。
スバルのくせにナマイキだわ!
なんで私があなたにためにイライラしなきゃならないのよっ!




昨日の夜もドキドキさせられたし、もう最低!




でも、あのふたりのことは気になる。・・・どういう関係なのかしら。
・・・・この際よ、小さなプライドは捨てるわ!コッソリ後をつけてやる!





「スバルくーん!こっちこっち!可愛いバッグをみつけたよ!」
「・・・・あ、うん。今行く・・・・・・。」





明らかに彼女の買い物にひっぱりまわされている。
でも、彼女と一緒にいるのが嬉しいのか、スバル君は終始笑顔だ。



・・・なによ!私と一緒のときはそんな顔しないくせに!
そのときデパートの館内放送が流れた。





「ピンポンパンポーン」
「本日はご来店いただき、誠にありがとうございます。
ただいま当店屋上のイベント会場にて“亜熱帯 ジャングル展”を開催中です。
皆様、お誘いあわせのうえ是非ご来場くださいませ・・・・・。」



亜熱帯ジャングル展って・・・たしかパパたちが中心になって取り仕切っているイベントだわ。
パパたちにこんなとこにいるなんてバレたら怒られちゃう。
屋上には近づかないようにしよう・・・・・・。





「なになに?ジャングル展?おもしろそう!ねえ、スバル君?」
「そうだね。じゃあ、今から行ってみようか。」
「うん!行こ行こ!」





ええっ!?屋上に行くのお!?・・・・・・う〜ん・・・・・・。


だ、大丈夫よね、私がまわりに注意していれば・・・・・。
パパたちも暇じゃないだろうし、バレないわよきっと。





亜熱帯ジャングル展はその名のとおりジャングルを再現したつくりになっていた。
ふだん目にすることがないようなめずらしいヘビたちが展示されている。




うう・・・あのウロコびっしりのぬらぬらしたカラダ・・・・気持ちわるい・・・。

しかも数メートル級の大きなヘビがたくさんいる。
亜熱帯ってだけあって、会場内も蒸しあつい。
・・・皆、こんなとこよく好き好んで入れるわねぇ・・・・。




「うわぁ、大きいヘビすごいなあ・・・。ミソラちゃんはこういうの平気なの?」
「うん。どうして?」
「いや、女の子ってこういう爬虫類系だめなのかなって・・・・」
「そうねえ・・・。確かにだめな子多いかも。でもあたしは平気かな。」
「そうなんだ。人によるんだね。」

「ねえ、ノドかわかない?」
「うん。ここ蒸しあついからかわいたかも・・・。」
「じゃあ、下のカフェでお茶しよっか。」





ま、まずいこっちに来る!早くどこかに隠れて・・・・・あっ!

さ、最悪・・・・・・。踵を返した私の前にパパとママが立っている。





「ルナ・・・・?お前こんなところで何してるんだ?」
「あ、あの・・・・その・・・・えっと・・・・・・。」




更に追い打ちで。



「あれ?委員長?こんなところで何してるの?」





スバル君たちにまでみつかっちゃったぁ!
完全にパニック状態に陥ってしまった私をよそに、パパがスバル君に話しかける。



「君たちはルナの友達か?」
「は、はい、同じクラスなんです。ボクは星河スバルっていいます。」
「あ、あたしはスバル君の友達の響ミソラです・・・・。」



「・・・日曜にこんなところでデートのまねごとかね。」



「なにか問題があるの?」

「大人のまねごとをしたい気持ちはわかるが、
子供は子供らしく家で勉強でもしていたほうがよっぽど有意義だと思うがね。」



「あたしたちが全然勉強してないみたいな言い方はやめてよ。
それにオジサンにそこまで言われる筋合いはないわ!」

「ミ、ミソラちゃん、落ち着いてよ。」


「・・・まったく、口だけは達者だな。こんな子がまわりにいてはルナに悪影響がでるだけだな。」
「ちょっと、その言い方は失礼だよ、オジサン!」





「ルナの転校の件、来週にでも進めたほうがいいな。」
「て、転校!?委員長が!?」




「もうやめて、パパ!」
「ルナ、これはお前のためなんだぞ。」
「パパもママも私のためって言うけど、私の気持ちなんて全然わかってくれないじゃない!」
「ルナ!」


たまらなくなって走り出す。・・・・・・・・・パパもママも大嫌い!
会場の外に飛び出した私の後ろから何者かが声をかけてくる。










『両親のまえでは良い娘を演じ・・・・。友達のまえでは虚勢をはる・・・・・。』









「だ、誰!?」

『いったい本当のあなたはどこにいるのかしら・・・・・?』





私の目の前に突如現れたのは、今まで出会った化け物たちとどこか雰囲気の似た、女の化け物だった。
また、化け物が私の前に!もう、いい加減にしてよ・・・・・・・・・・!





「ち、近づかないで!私、あなたみたいな化け物には何度もひどい目にあわされてるんだから!もううんざりよ!」
『ほう・・・・。ほかのFM星人に会ったことがあるようだな。では話ははやい。ワタシと融合しろ。』
「冗談いわないで!誰があなたみたいな化け物の言いなりになんかなるもんですか!」
『でも、親のいいなりにはなっているようだな。今のように自分の意志を主張すればいいものを。』




「・・・・・・・・!」




『“私はパパとママのあやつり人形じゃない!”・・・ってな。』

「で、でも私・・・・」
『このままでは転校させられてしまうぞ?』
「私の力じゃ、どうにもできないんだもの!しょうがないじゃない!」




『ワタシが力を貸してやる。転校話を白紙にするくらいたやすいことだ。』

「ほ、本当に・・・・・?」









「騙されちゃだめだ、委員長!」









私たちの後ろにスバル君が立っていた。化け物の話に耳を貸そうとした私を制止する。




「そいつは委員長を利用しようとしてるだけだ!」




どうしよう・・・・。私はどうしたらいいの・・・・?
もう、わからない・・・・。もう、たくさん・・・・・・。




『ワタシの話にのるか否は自由だが、このままでは確実に転校させられてしまうだろうな。』




もう、なんでもいい・・・・!転校しなくて済むのなら・・・・・・・・!









「私、転校したくない!!」









化け物はニヤリと笑みを浮かべ、私に迫る。
私の体を激しい光が包み、私の意識が遠のいていく・・・・・・・・。

そこから先のことはよくわからない。
私の体は完全にあの化け物が支配してしまっているようだ。
でも、おぼろげに自分がなにをしたのかは覚えている。





パパとママを苦しめた・・・・・・。毒ヘビを使って皆を苦しめた・・・・・・。
そして、今、私の目の前にいるのは・・・・ロックマン・・・・?




ああ・・・・。そうか・・・・私・・・大変なことしちゃったんだ・・・・。
皆を苦しめて、ロックマン様が黙ってるハズないものね。


















「いま・・・・助けるから・・・・。」






















・・・・・・え?なに?今、なんて言ったの?


















「いま、助けるから・・・・。待ってて、委員長・・・・・・!」













・・・・・・ス・・・・・スバル・・・・・・・くん・・・・・なの・・・・・・?


















『来るぞ、気ぃ抜くなよ、スバル!』
「わかってるよ、ウォーロック!  ウェーブバトル、ライド・オン!!」







終わり。2007/03/18 作成11







●あとがきもどき●

もうね、アレですよ。
このイベントマジやばい!マジ大好き!(落ちつけよ)

血を吐くとかちょっとグロいオプションつけちゃいましたが
ルナがスバル=ロックマンだと怪しむ出来事を入れたかったんです・・・。
本家のゲームシナリオがあまりに面白くて
セリフとかはほとんどいじりませんでした・・・・・・・・。




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