■スバル+ルナ    「秘密」■



★流星1(ドリーム設定)★

「素顔」でお付き合いを始めた、スバルとルナのその後のお話。
プレアデス星団が好きなので、ふたりの初デートは星座観測にしてみました。
「あれだよ」って肩を抱いて星を指すシチュ、超萌える!!

今回のミソラっちは素直でないルナの火つけ役です。
こうでもしないときっとルナは焦ってくれないので(笑)
でもミソラの心中は複雑。そのへんはNO‘11の「友達」で描写しています。


あ、流星1なのでミソラがルナを呼ぶとき「委員長」で統一してます。














晴れた夜空に星が美しく瞬いている。
展望台で星を見上げているのはスバルとルナだ。

このふたりはなりゆきという形ではあったが晴れて今日から付き合いはじめている。
学校以外でふたりきりでこうやって会うのは初めて。・・・・・つまりは初デートというヤツだ。







「あ!委員長、あそこ!」
「・・・?どこ??」
    
「あそこだよ、青い星が5つくらい集まってるの見えない?」     
「・・・だからどこなのよ!?」






二人の視線が合わないせいか、ルナはスバルの指す星を確認できない。
スバルは、自分とルナの目線が同じになるよう、彼女の肩を抱き、顔を近づける。







    
「よっ・・・と。ボクの指先のほう見て。」     
「!(ドキッ)」     

「・・・ねえ、聞いてる?」     
「あ、あったわ!あれがプラネテス星団?」






スバルに肩を抱かれてつい動揺してしまうルナ。
しかしスバルは星に夢中でそんなこと知る由もない。
    




「おしい、プレアデス星団だよ(笑)」     

「(照)・・・で、あれはなんなのかしら、星河先生?」     
「プレアデス星団はおうし座にある、散開星団だよ。
肉眼では5個くらいしか見えないけど、望遠鏡を使えば数10個の星があるのが見えるんだ。」






瞳を輝かせて答えるスバル。
星や宇宙のことになるととたんに生き生きした表情になる彼を少し嬉しそうに見つめるルナ。
さらに訊ねる。







    
「遠いの?」     
「400光年くらいかな。ちなみに和名は“昴”って言うんだ」     

「スバル?!」     
「うん。ボクの名前はプレアデス星団からとったらしいよ。」     
「・・・青く光っててきれい・・・。ロックマンの色・・・。」     
「いい名前でしょ。」     
「そうね・・・。私とは大違いだわ。」     
「そんなことないよ、キミの名前だって・・・。あ。」





彼女の言葉を否定しようとしたが、以前ルナの名前について、
嫌味を言ったことがあるのを思い出した。
あちゃあ、といった顔をするスバルに皮肉っぽく訊ねるルナ。






    
「・・・衛星オンナなんでしょう?私。」     
「ま、まだ根に持ってるの?!」






嫌味を言ったのはスバルがまだ不登校だった頃にルナと口論になったときだ。
スバルからすれば過去の失言だがルナからすれば相当根の深い一言だったのだろうか。






    
「・・・冗談よ。なにあせってるの?」





あたふたするスバルを見て悪戯っぽく笑うルナ。
ルナの態度を見てスバルは胸をなでおろす。






     
「あんまりおどかさないでよ・・・。」
「うふふ、スバル君ってからかうとおもしろい・・・・・。」

「もう!」






「どこのカップルがイチャこいてんのかと思ったら・・・・、スバル君と委員長じゃん!」






ふいに後ろから誰かに声をかけられた。

今日は誰も来ないと思っていたのでびっくりして振り返る二人。
そこに立っていたのはふたりの見知った顔・・・・・・響ミソラだった。
ルナと一緒にいるのを見られたのが照れくさいのか、スバルは少しどもりながらミソラに訊ねる。






    
「ミ、ミソラちゃん?!どうしたのこんな時間に?」     
「こんな時間にここにいちゃだめなの〜?」     
「い、いやそういう意味じゃなくて・・・」     

「こんばんは、委員長。なかなか楽しそうなトコ邪魔しちゃってごめんねv」






ミソラはルナのほうに向き直り、彼女をからかうように笑ってみせる。
つい真っ赤になってしまったルナの反応に違和感を覚えたミソラはふたりに探りを入れてみる。






    
「・・・・・あれえ?もしかして図星ぃ?ふたりってそーゆーカンケイだったんだ?!」     
「あ、えっと・・・・・そのう・・・・・・・・(照)」






    
「・・・・・・・・・・・・・・・マジで?」






驚きを隠せないミソラは少し顔をひきつらせる。
しかしスバルたちにそれを悟らせないよう、明るく振舞う。     


「なんだよ、そーゆーめでたいコトはすぐ知らせてよ〜。あたしたちブラザーじゃん!」     
「ゴ、ゴメン。実は今日付き合いはじめたばかりなんだ・・・・・・・・・。」     
「へえ!そうなんだ。ね、ね、スバル君て委員長のドコに惚れちゃったの?」






    
「か、かわいいトコかな・・・・。」     
「え?そう?委員長は可愛いというよりもどっちかってーと美人系なんじゃない?」

「違うよ、顔じゃなくて性格。・・・・ちょっとわがままで気が強いけど、そこがまた可愛いんだ。」






照れくさそうに笑うスバルは本当に幸せそうだ。
そこへ横からルナの手が伸びてきてスバルの耳を思い切りひっぱる。






    
「あいたたた!い、いきなりなにするの委員長っ?!」     
「・・・・・・・ちょっと、誰がわがままですって?」     
「ほ、褒めてるんだよ、そこが可愛いって。」     
「そんなほめ言葉きいたことないわよこのバカッ!」     


「ゴ、ゴメンってば!痛いから放して・・・・・・。」






苦笑いをしているが、やはり嬉しそうなスバル。
なぜなら今のルナの行動が照れ隠しのものであるとわかっているからだ。

しかし、他人からしてみればこのふたりの間に恋の温度差があるのでは、と思えてしまう・・・・。
スバルの耳から手を放し、ルナはミソラの装いに目をやる。
よく見るとミソラは冬の装いとは思えないほど露出の高い服を着ている。







    
「あなた・・・そのカッコ・・・・・・・。」     
「ああ、これ?今日はあったかいし、全然平気だよ。」     
「そ、そうなんだ・・・・・・・・・。ってスバル君、なによその目は!」

この季節にはめずらしいヘソ出しルックについ見とれてしまっていたスバル。
やきもち焼きのルナがそんなスバルを見逃すわけがない。






    
「え、あ、いや・・・。」
「だめだぞ、カノジョの前で他の女の子見ちゃ!」     
「ボ、ボクはそんなつもりじゃ・・・。」

楽しそうにスバルの揚げ足をとるミソラ。
ルナはそんな二人のやりとりを思惑ありげに見つめている・・・・・。






    
「・・・・・・・。」













翌朝。いつも通りのコダマ小学校の朝の登校風景。
5のAの教室のドアをガラッと開け、元気よく入ってくるルナ。






    
「おはよう!」     
「ど、どうしたんですか、委員長その格好は・・・。」






しかしいつものブレザー姿ではなく、この季節には少し外れたヒラヒラのキャミソールワンピースだ。
ちょっと寒そうなルナの装いを見て、キザマロはルナに訊ねた。しかしあっけらかんと返すルナ。






「変かしら?」
    
「い、いえよく似合ってます!」     
「そ。」






当然よといわんばかりに髪をかきあげるルナ。






    
「あれ?委員長その格好・・・。」






ふりむくと後ろにはキョトンとした顔のスバルがいた。
スバルの反応が気になり、ドキドキしつつ彼の次の言葉を待つルナ。・・・・・・・・・・しかし。






    
「寒そうだね、おなかとか冷えない?」     
「・・・・・・・・・(苛)。余計なお世話よ!!」






自分がなぜ寒いのを我慢してまでこんな格好をしているのか。
デリカシーの欠片もない台詞についルナは怒鳴ってしまう。






    
「・・・あれ?」     
「(スバルのばか!)」






スバルなりにルナを心配しての言葉だったのだが、怒らせてしまったようだ。













    
「委員長、一緒に帰ろうよ。」


そして放課後。さっさと教室を出て行ってしまったルナを校門前で呼び止めるスバル。
小走りで追いついてきたスバルのことなどかまわずルナはふくれっつらのまま歩いていく。






    
「さっきはゴメンってば。今日は昨日より冷えるから風邪ひかないかどうか心配だったんだよ。」     
「同じ心配するにしても、もうちょっと言葉を選んで欲しいものだわ。」     
「・・・たとえば?」     


「今日のお洋服はとってもステキだね、ルナさん!
・・・でも今日は少し冷えるから風邪ひかないように 気をつけて。・・・とか言えないの?」





「・・・・・・・・(汗)」






ルナのクサい台詞に寒気を覚えるスバルだが、
そこをツッコむと更に彼女の機嫌を損ねることになるので あえて触れないでおく。






    
「・・・そこまでカッコイイことはいえないけど、頑張るよ。」     
「わかればいいのよ。さ、帰るわよ。」     
「うん。」



ふたり並んで歩き出す。
しばらく歩いているとポツポツと雨が降り出してきた。
雨足は瞬く間に強くなっていく。どうやら夕立ちのようだ。






「あれ・・・。雨?」     
「夕立ちだよ!委員長、走って!」






ルナの手を取り、急いで駆け出すスバル。
いきなりスバルに引っ張られ、あわててしまうルナ。

    



「えっ?えっ?ちょっとー!」













通学路の少し外れに公園があり、そこの休憩所の中に避難する二人。
小さなあずま屋のようになっているのでとりあえず雨はしのげそうだ。







    
「しばらくここで雨宿りするしかないね・・・。」     
「もう、なんでいきなり降ってくるのよう!」

ルナは髪や服についた水滴を払いつつ、ボヤく。
濡れたルナのキャミソールを眺め、内心スバルがドキドキしていることなどルナは気づきもしない。


その後も雨は降り続き、ついにどしゃぶりになってしまった。






    
「さ・・・さむい・・・!」     
「薄着で雨にぬれたからね・・・そうだ。」





寒さで震えるルナを見て、スバルは通学カバンの中から体操着を取り出す。






「ボクのジャージ。寒さしのぎくらいにはなるよ。」     
「・・・・・・・・。」


    
「あ、大丈夫だよ。それ1回しか着てないからあまり汚くないと思う。」     
「(せっかくのおしゃれ着の上にジャージ・・・。)」






・・・・・・・・・・ルナの気にしているのはファッションのほうだ。






    
「(でも風邪ひくよりはマシよね)」






仕方なしにスバルのジャージの上着を羽織るルナ。
ジャージは羽織ると意外と温かいものだ。
ルナが一息つくとスバルがおずおずと話しかけてくる。







    
「・・・あの・・・委員長・・・。」     
「なに?」










    
「いいそびれちゃったんだけど、今日の服・・・・・・・かわいいね。」










照れくさそうに少しはにかむスバル。だが・・・     





「ジャージ羽織ったぬれねずみ状態の今言うこと?!」






現状の装いはルナにとって屈辱的なものなのだ。
そのタイミングでルナが一番欲しかった台詞をもらったのでは拍子抜けもいいところだ。






    
「だ・・・だって言うタイミング逃しっぱなしだったんだよぅ!」     
「・・・・・・・でも・・・ありがと・・・・・・・・・・。」






恥ずかしいのか、うつむいて答えるルナ。
そんなルナを見てスバルは微笑み、そおっとルナの手を握る。






    
「・・・手冷えてる・・・・・。まだ寒い?」     
「もともと少し冷え性気味なのよ。・・・・スバル君の手、あったかい・・・。」     

「温めてあげるよ。」  






スバルはルナの肩を抱き、自分のほうへ引き寄せる。






「・・・・ばか・・・・・。」






ルナは照れ隠しにぼそりとつぶやいてゆっくり目を閉じる。
そのまま自然と唇を重ねるふたり。

ふとルナは以前スバルとキスをしたときのことを思い出した。
そのときはキザマロに見られてしまったのだ。






    
「・・・待って、キザマロは・・・・」     
「このどしゃ降りのなかじゃいないと思うけどなあ・・・」






苦笑いをしつつ答えるスバル。
再度ルナの顔を引き寄せ、今度は舌を差し入れる。






    
「んん・・・・。」






自分の口の中で動くスバルの舌の感触に少し戸惑いを覚えるルナ。

ディープキスは一度だけしたことがあるが、
そのときは驚きのほうが先立って感覚などほとんどなかった。


感覚を味わうキスは今回が初めてなのだ。






    
「(・・・・私、今スバル君とキス・・・・してる・・・・・・・。)」






今のルナはキスの感触よりも、スバルとキスしているということ自体を悦んでいるようだ。


・・・・・・・まあ、これくらいの歳の女のコは恋に夢見がちなので当然かもしれないが。






一方のスバルはというと、この公園に雨宿りに入ってからずっとルナを意識しっぱなしだったため、
素直に キスの感触を愉しんでいるようだ。



・・・・・・・まあ、思春期の男のコなど皆こんなものなのだが。  






  




    
「ス、スバル君、くすぐったい・・・・・・・・・。」    












更に強くなる雨の音。
でも、今はそんなこと全然気にならない。




スバルが雨足に気づいて空を見上げたのはそれからしばらく経ってからだった・・・。













    
「雨・・・・・なかなかやまないね。」     
「ええ。でもたまにはこんな日があってもいいかな・・・・・。(照)」






ちょっと照れくさそうにスバルのほうを見つめるルナ。

雨が降っているあいだはここでスバルとふたりきりでいられるからだ。
なんともいじらしい乙女心だ。

・・・・・・・・・・しかし。






「え?委員長、雨好きなの?」
「・・・・・・・・・鈍感・・・・・・・(苛)」
    
「いっ・・・・たたた!な、なんでえ?!何か気に障ること言ったかな、ボク?」






当のスバルはルナの乙女心などつゆ知らず、キョトンとした顔で答える。

ルナが意地を張っているかどうかは見抜けるのに、
たまに素直な発言をするとかえってわからないらしい。

少しふてくされたようすでルナはスバルの耳をひっぱる。






このやりとりはふたりにとってはじゃれあいのようなものだ。
雨がやむまでのほんのひとときを愉しむようにふたりは身体を寄せ合う・・・・・・・・。






    
「雨、あがってきたね。そろそろ行く?」






さっきまでどしゃぶりだった雨は小雨になっている。やむのも時間の問題だ。
ふたりはそろって立ち上がり、出発の準備をする。






    
「・・・・そうね。でもさすがにこの格好で街には出れないからジャージは返すわ。」



と、ルナがジャージをぬぎかけたが・・・・。     




「あ、委員長待って!」     
「なによ?」     


「首筋に・・・ボクのキスマークが・・・(照)」     
「ええっ?!やだっ!」






とっさにジャージで首元を隠す。色白のルナは特にこういったものが目立ってしまう。
これではジャージをぬぐわけにはいかない。真っ赤になってスバルを怒鳴りつけるルナ。






    
「こんなのつけるならもっと考えてつけなさいよ、バカスバルーーーっ!!!」     
「ゴ、ゴメン!でもそんなのわかんないよぅ!!(泣)」






・・・・・・・・・やはり怒るルナには勝てないスバルだった★(笑)






    
「・・・また人に言えないヒミツ、ふえちゃったわね。」     

「ブラザーバンドはお互いのヒミツを交換するものだけど、今のボクらはヒミツを共有してる。
なんか、ブラザーよりも近い距離にいるみたいでうれしいな。」     

「当然よ。この私を他のブラザーと一緒にしないで欲しいわ。」     


「もちろん別格だよ。だってキミはボクのブラザーでもあるし、彼女でもあるんだから。」     
「そ、そう。ならいいわ。(照)」     
「キミにとってのボクはどうなの?」






    
「・・・・し、仕方ないから別格ってことにしておいてあげるわ。」     
「・・・・・・ありがと・・・・・・・・・。」













手を取って仲良く歩くふたりの後ろに大きな虹が輝いている。                                                                     








おわり。
2007/02/15作成3
2007/06/09改訂版作成











●あとがきもどき●

イチャイチャのラヴラヴですが、なにか。(開き直り)

寒いのをガマンしてでもスバルに「可愛い」って言ってもらいたい。
・・・・ああ、なんていじらしい乙女心ッッ!
んで、またまたスバルたんはやらしーコになってます。
まあ、濡れた服の女のコ見りゃ皆ドキドキしちゃうんだろうけど。

実はこの「秘密」・・・、原文ではタイトル通りふたりはヒミツ作ってます(爆)
さすがに年齢制限がかかるのでそのへんの描写はカットしました。

どのへんかは・・・・わかりますよね?




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