■スバル×ルナ   「帰処。」■



★流星3(ドリーム設定)★

「私にも闘うチカラがあったら・・・・」

闘うチカラを持たず、ただスバルの帰りを待つしかないルナ。
スバルとミソラが共に闘う姿を見て歯がゆく思ったりしないかな。

そのほかにもちょっとヤキモチを妬いちゃうこともあったり。
どちらにせよ、ルナはスバルのそばにいたいだけ。

ヤキモチ妬きのルナも天然タラシ(爆)のスバルも最高!











「行こう、ミソラちゃん!」
「うん!」









・・・・・・ずきん。









なによ・・・・。
闘うチカラがあるからなによ。



私だって、あなたのそばにいたいのに・・・!










「最近多いですね、電波ウイルスによる電子機器の暴走事件・・・」
「学校も被害に遭ってたよな。ま、そのおかげで学校が休みになってラッキ・・・いででで!」

「何がラッキーよ!不謹慎よ、ゴン太!」
「あだだだ、悪かった!悪かったってばいいんちょう!耳が取れる〜〜〜!」

「フン!」

「(な、なあ、今日のいいんちょう、やたら機嫌悪くねえ?)」
「(ですよね・・・。スバル君たちがウイルス退治に出掛けてからずっとですよ・・・)」



「何をコソコソしゃべってるの、ふたりとも?」

「い、いえ!なんでもないですっ!」









わかってる。
こんなのただのヤツ当たりだわ。


ああ!なんでこんなにヤキモチ妬きなの私!
スバル君もミソラちゃんも皆のためにウイルスを退治してくれてるのに!










・・・だいじょうぶよ。









スバル君の顔をみればきっとこんな気持ちも晴れるわ。
だから、早く帰ってきて・・・・・。




ピロロロロ・・・・・。




あ、ハンターに着信だわ。









「ルナちゃん・・・!」
「ミ、ミソラちゃん?!どうしたの?」

「スバル君が・・・・!」
「・・・え?」










ミソラちゃんの声が・・・今にも泣きそう。
やだ・・・・スバル君がどうしたの?


ちょっと・・・・!不安になってきたじゃない。
急いでミソラちゃんから伝えられた病院へ行った。









『おう、ルナルナ団 来たな』

「きゃ、ウォーロック!?びっくりさせないでよ!」
「おい、スバルはどこなんだ?」
「スバル君が怪我したらしいですけど!」



『・・・・オレの心配はしねえんだなオマエら(汗)』



「それよりも!スバル君は?!ミソラちゃんはどこなの?!」
『・・・・(泣)そこの部屋にいるぜ。』










すぐそばの病室を指すウォーロック。
ドアノブに手をかけようとしたら中からスバル君たちの声が聞こえてきた。





「ミソラちゃん・・・、もう泣かないで。ボクは大丈夫だから・・・」
「ごめんね、あたしを庇ったせいで・・・・」




うわ、なんだか入りにくい空気・・・。
どうしよう(汗)



「何やってんだよ、早く入れよいいんちょう?」
「きゃ!」






ばたん!






ああ、もう!
いきなり後ろから押さないでよ、ゴン太・・・・っ!




?!




「わ!いいんちょ・・・(照)」
「ルナちゃん・・・」









な、な、な・・・・・・ッッ!
なんで抱き合ってんのよアンタたち〜〜〜ッッ?!





こんなときに不謹慎だわ!





「これはいったいどういうことなの?説明してちょうだい。」
「今日のウイルスバスティングであたしがドジしちゃって・・・」


スバル君に抱きついてたミソラちゃんが身体を起こして振り向く。



「スバル君はあたしを庇って受身も取れずに地面に落ちたの・・・」



「怪我は大したことないんだよ、電波人間ならあれくらい平気だし」
「何言ってるの?!マトモに背中から落ちたのに!」



はいはい。
またイチャつくのね、アンタたちは。


なんなのよ!
人のこと、散々心配せといて!
だんだんバカバカしくなってきたわ!




「そ。大したことないならよかったじゃない。お邪魔になるのもアレだし私たちは失礼しようかしら」
「え?そんな、だって今来たばかりじゃ・・・・」

「ゴン太!キザマロ!行くわよ!」
「え?え?いいんちょう?!」
「どうしたんですか、急に・・・・」






ばったん!



強制退室★





「い、いいんですか、いいんちょう?」
「スバルのヤツ、何か話したそうだったぜ?」
「知らないわよ、そんなの。」

そうよ、もう知らない。
ミソラちゃんと勝手にイチャついてればいいんだわ!






・・・・・・・・。





やだ・・・・・もう。
なんで私ったらいつもこうなの?


怪我してるスバル君に気遣いのひとつもできないなんて。
スバル君は何も悪くないのに。



私・・・・・・・・・、最低だ・・・・・・・・。



病院の出口まで来たところで建物を見上げる。
大きな6階建ての総合病院。
スバル君の病室はあのあたりかしら・・・・・?!

え?なに、アレ?何か近づいて・・・・・






「ウォーロック!」
『おお!任せとけッッ!』





え?ちょっ・・・なんでこっちに・・・・・





「キャーーーーッッ!?」

首根っこいいんちょ描きたかったのです。あと、おんぶスバ。


ななななな、何なのよおぉぉぉ?!
いきなりウォーロックの背に乗って飛んできたと思ったらそのまま人さらい?!


て言うか人の首根っこをネコみたいに掴むのやめてよ、ウォーロック!




「い、いきなり何するのよ!」
『悪ぃな、いいんちょう!スバルのヤツがどーしてもオマエと空中散歩したいって言うもんでな!』


「ええ?!」

「だっていいんちょう帰っちゃうんだもん!こうでもしないと話できないじゃないかっ!」
「な、なに言ってるのよ!第一あなた、身体は大丈夫なの?!」





「・・・・たぶん!」





何が、たぶんよ!
今ちょっとヤッベ!って顔したわ!



「いいんちょう、心配させちゃってゴメン!今度から戦闘のときは気をつけるから!」
「そ、そうね、そうしてちょうだい・・・・・」

「・・・あれ?違うの?じゃあ何で怒ってるの?」
「な、何でもないわよう!」


『スバルがミソラとイチャこいてたからじゃねえの?』



「!!」



「え?そ、そうなの・・・・?」
「違う!違うわよ!何勝手な誤解してるのよ!私はただ羨ましいって思っただけで・・・」

『やっぱ羨ましいんじゃねーか。素直じゃねえな』







いやあーーーーっっ!!!

ちょ!ちょっとなんなのよ!この話の展開!
しかもウォーロックってばそういう風に話を持っていこうとしてない?!




冗談じゃないわ!
こんなヘッポコウィザードにいいように言われるなんて!




「違うって言ってるでしょう!私が言ってるのはミソラちゃんが闘うチカラを持ってるからよ!」




そう。
私と違ってミソラちゃんには闘うチカラがある。



スバル君と一緒・・・・・・・・・。






「・・・いいんちょうに闘うチカラなんていらないよ」

「どうしてよ!私だってあなたと・・・・」
「ボクが守るから、闘うチカラがほしいなんて言わないでよ!」





なによ。
私が闘いたいって思っちゃダメなの?!
ミソラちゃんはよくって、私はどうしてダメなのよ!








「キミを闘いに巻き込みたくない!」
「私、いつだってあなたと一緒にいたいのに!」







「「・・・・・・・・あ・・・・・(照)」」








素直な叫びが同時に・・・・出た。





「キミが闘いに出て、もし傷ついたりしたらボクは闘う意味も帰る場所もなくなっちゃうよ。」



闘う意味、帰る場所。
そんなこと、私考えもしなかった。







「スバル君は闘いながらいつも何を考えているの?」
「今闘ってるのはいいんちょうを守るため、早くいいんちょうのところに帰りたい、それだけ。」


「・・・・なによ、それ・・・・・照」


「キミがボクの帰りを待っててくれるからボクは闘えるんだよ。」




・・・・・やだ。
急に顔が熱くなってきた。

いきなり何言い出すのよ・・・・。





「闘いが終わればずっと一緒にいられるよ。それまで待っててくれる?」
「わ、私は別にそこまで寂しいわけじゃ・・・・(恥)」




「え・・・・寂しいの、ボクだけなの・・・?」



・・・・・・もうっ!
そんな寂しそうな顔でこっち見ないでよ!



「わかったわよう!そういうことなら待っててあげるってば!」
「よかった!ありがと、いいんちょう!」



なによ。
嬉しそうな顔してくれちゃって。
そんなに喜ばなくたってちゃんと待つわよ。



だから、ずっと一緒にいられるように頑張って。



『・・・・ハナシは終わったか?』
「うん、色々ありがとう、ウォーロッ・・・・」




ぱたり。





「きゃあああ!?た、倒れた!倒れたわよ!ちょっとおぉぉ?!」
『さっき病院で何か薬飲まされてたぞ。それのせいじゃねえか?』
「そんな悠長なコト言ってる場合じゃないわよ!早く病院に戻って!」

『死にゃしねえよ。こんな状態で無理してオマエに会いに来たスバルの気持ちをくんでやるんだな』




「バカ・・・・・!」




病院までのほんの少しの時間。
少しだけ、ぎゅっと抱きしめさせて。



気絶してるんだもの、覚えてないわよ・・・ね?






「(朦朧としてるけど意識はあるんだけどな・・・・)」
『(つか、そもそもオレが覚えてるっつの)』







ん?今なにか言った??                 









おわり。
2009/09/07 作成46







●あとがきもどき●

久々のスバルナ小説もどき新作です。
これはエグゼスターにロックマンとハープノートの登場が決定した際に考えた話です。
だから最初はウイルス退治ではなく、過去に旅立つスバルたちを見送るシーンでした。

でも発売前でまったく情報がないので、今回は無難にウイルス退治にしました。
今回のお話は、エグゼスター出演が決まったふたりへのちょっとしたジェラシー込みです。

でも、ルナの出演がなくたって、ルナは遠くできっとスバルの帰りを待っててくれる。
そう信じています。




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