■スバル×ルナ   「聖夜。」■



★流星1(ドリーム設定)★

かーなり前に書いた、クリスマスネタの小説もどきです。
流星1時のパラレルなので色々MY設定あります。

・スバルとルナはすでにお付き合いをしていてラヴラヴ。
・ミソラはなぜかツカサとお付き合い中。ここもラヴラヴ。
・ミソラとツカサはどっちかっつーとアニメ寄りな性格かも。

以上を踏まえた上でWカップルのクリスマス模様をお楽しみください。
スバル&ルナはとにかくラヴいです。












    
「おはよう。今日は早いのね、ツカサ君。」     

「おはよう委員長。うん、ちょっと早めに目が覚めたから。」



早朝の少しひんやりとした空気の漂う教室。
早朝当番の私よりはやく教室にいたのはツカサ君だった。
教室の一番後ろの席に座ったままあいさつを返してくれる。







・・・あら?

ツカサ君の机の上に置いてあるピンクのボールみたいなのは何かしら。







    
「ねえ、それなあに?」     
「え?ああ、毛糸だよ。ホラ。」



ツカサ君が手に持っていたものを見せてくれる。







    
「あら、編み物?」     
「うん。セーターになる予定なんだ。」     

「男のコが編み物ってめずらしいわねえ。」     
「でしょ。コレ結構難しくてさ。途中でワケわかんなくなりそうだよ。」







想像してたよりもむずかしい、と苦笑いしてるけどなんだかうれしそう・・・。
毛糸の色もピンクだしこれは間違いなくミソラちゃんへのプレゼントね。



    
「いいわねえ、ミソラちゃんへのプレゼントでしょう?」     
「うん、まあね。クリスマスまでにセーター編んでお互いにプレゼントし合おうってことにしたんだよ。」







・・・・・・・素敵っっ!




手編みのセーターのプレゼントだなんて憧れちゃう!
しかも交換だなんて、ラブラブでうらやましい・・・・。

でもこんな女のコっぽいこと、スバル君は嫌がりそうだけど。
とか思ってたら案の定こんなやりとりが・・・・。




    
「ツカサ君、おはよう。・・・なにそれ?」     
「あ、スバル君おはよう。見ての通り毛糸だけど?」     
「なに、ツカサ君て編み物するの?」     
「初挑戦。なれるまでちょっと大変そうだよ。」     

「男が編み物って・・・、なんか妙だね。」     
「そう?」     

「まあ、ツカサ君は女顔だしサマになってるけど♪」     

「・・・それが言いたかっただけか、君は。」     
「率直な感想を述べただけだよ?」     
「・・・・・。たぶん毛糸余るからさ、スバル君にも編んであげるよ。」     
「なにを?」     



「毛糸のパンツ(ピンク)v」     
「はけるかそんなもんッッ!」     



「・・・ヒドイなあ。これからやってくる冬の寒さから君を守ってあげようと思ったのに。」     
「よく言うよ。ただのイヤがらせじゃないか。」     

「モヤシボディの君にこれからの寒さはこたえるんじゃない?」     
「モヤシボディって言うな!」     
「ホラ、そのかぼちゃぱんつの下に穿けるじゃないか♪」     

「コレはかぼちゃぱんつじゃない!」




あーあ。

あっというまにツカサ君のペース。
どうせ何やっても負けるんだから喧嘩なんて売らなきゃいいのに。     







「だいたい、編み物って女のコがするものじゃないの?」     
「男がやっちゃいけないって決まりはないよ?」     
「そりゃそうだけど・・・。でもボクなら自分が編むより編んでもらったものをもらうほうが嬉しいなあ・・・。」     

「自分がヤなこと、女のコにやらせるんだ?」     
「イヤだなんて言ってないよ、ただ男が編み物ってちょっと恥ずかしいなって思っただけだよ。」







ああ、やっぱり恥ずかしいんだ。

そうよね。ツカサ君みたいに女のコの趣味に付き合ってくれる男のコのほうが めずらしいわよね。
でも手編みのセーターをもらってうれしいってことはわかった。







・・・クリスマスまであと2か月。

セーターの一枚くらいなんとかなる期間よね。
でも恥ずかしい話、私は今まで編み物なんてしたことない。
とりあえず、道具を揃えてそういう本買って勉強すれば大丈夫よね!     







「毛糸・・・何色にしようかなあ・・・♪」




手芸品店の編み物コーナー。
色とりどりの毛糸玉が私を惑わせる・・・。
なんだかとってもうきうきしてきちゃった。
    



「スバル君は赤の上着をいつも着てるけどあえて別の色にしたいなあ。あ・・・もえぎ色もかわいい・・・・。」




うーん。でも私が着るわけじゃないから 私の好きな色じゃないほうがいいかしら?
でもスバル君らしい色って・・・?     



「・・・よし、決めたわ!ロックマン様の青ッッ!」     

「ロックマンがどーしたの?」     
「きゃ!・・・あ、ミ、ミソラちゃんかあ・・・・。」


もう、後ろから急に話しかけないでよミソラちゃん!

びっくりしたあ・・・・。     







「なになに?手編み?スバル君に?いーねえ、アツアツじゃんv」     
「そ、そういうミソラちゃんこそ!・・・聞いたわよ、ツカサ君と手編みのセーター交換するんですって?」     
「うん、そーなの。でもむっずかしくってさー。編みはじめて1時間なのに編み棒が折れちゃって。」     

「・・・・・折れた?」







編み棒って折れるの?
どれだけ力こめて編んでるのかしら。
ミソラちゃんてもしかして・・・かなり不器用??     







「あはは!あたしってばこーゆー女のコらしいこと あんまやんないから加減がわかんなくってえ♪」     

「そ、そうなんだ・・・・。」     
「委員長ってこーゆーの得意そーだよねー。」     
「え?」     
「いろいろ習い事とかしてるんだよねえ?編み物は?」     
「あ、えっと・・・実は編み物はやったことないのよ。だから編み方の本とか買って勉強しようかなって思って。」     

「そーなんだ!じゃさ、一緒にやろーよ!」     
「いいけど・・・、スバル君には内緒よ?」     

「おっけー♪」







・・・と、いうわけで。

編み物をするためにミソラちゃん家にやってきた。
リビングに入ると、ソファに腰かけて編み物をしているツカサ君がいた。     







「やあ、委員長。いらっしゃい。」     

「ね、ね、委員長も編み物始めたいんだって!一緒にやってもいいでしょ?」     
「へえ、そうなんだ。僕は全然かまわないよ。・・・・スバル君へのプレゼントかな?」







な、なにニヤニヤしてるのよ!
からかうようにこっち見るのやめてちょうだい、ツカサ君!     







「スバル君も幸せ者だよねー。まったく、毎度思うけど 彼に委員長みたいな彼女はもったいないよ。」     
「何言ってるの、スバル君は地球を救ったヒーローなんだよ。その彼女だなんて光栄なことじゃん!ね、委員長?」     

「確かにそうかも知れないけど、普段のスバル君はただの小学生よ。ヒーローかと思えば情けないところも多いし!見ててイライラすることだっていっぱいあるんだから!」



そう。ヒーローって言ったってただの男のコと大差ない。
なまじ私が優等生だからもったいないことしたねってよく言われるのも事実。


でも、私がスバル君のことを好きなのも事実・・・。     




「あはは。だから喧嘩が多いんだ。」


「イ、イライラしたって喧嘩したって、スバル君が好きなんだからしょうがないじゃない!」     


「おお、盛大にノロケたね委員長♪」     
「あ、いえ、今のは違うの!ちょっと口がすべっちゃっただけなのよう!」     
「口がすべったってことは心の中ではそう思ってるってことだよね?」     
「あ、揚げ足とらないでちょうだいツカサ君!」     

「顔真っ赤じゃん♪愛情いっぱいのセーター頑張ってつくろーねv」







もう・・・!ふたりそろって人をバカにして!
今日は編み物をしに来たのになんでからかわれなくちゃならないのよ!     







「そうそう。そこは右手だけ動かすんだ。」     

「・・・こうかしら?」     
「うん。うまいもんだよ。初めてにしては筋がいいよ委員長。」     
「ふふ・・・。」



少しだけ編み物の先輩(と言っても数日だけだけど)のツカサ君に 教えてもらいながら私とミソラちゃんは編み棒を動かす。



しかし・・・。     







「ねー、ツカサ君、ここ絡まった〜〜〜〜!」     

「はいはい、どこ?・・・ああ、ここはさっき気を付けてって言ったのに!」     
「そんなむずかしーこと言われてもわかんないーーー!」




どうみても編み物というよりは駄々っ子の子守りね・・・・。


ミソラちゃんがよくツカサ君のことふざけて“おとーさん”って呼ぶのも納得。
でもツカサ君もなんだか楽しそうだし、これはこれでお似合いなのかも。     







「うふふ・・・・、いいなあ。」     

「なにが?」     
「だってとっても楽しそうなんだもの。」     
「あたしは楽しいけど、ツカサ君はどーかな。子守りばっかで大変でしょ?」     

「いや、楽しいよ。」     
「ウソお?!そんなミエはんなくたっていいんだよ?」     
「ほんとだよ。僕は君と一緒にいられるだけで楽しいんだ。」     


「・・・・ずるい、その言い方。」     
「そう?」




ミソラちゃんをからかうように笑うツカサ君。
こんな何でもないことで幸せになれる。
なんて理想的なふたりなのかしら!


・・・・さらに。     







「・・・この手が届くまで♪」     

「あ、歌を口ずさむってことはちょっと調子でてきた?」     
「うん。なんかこー、アレだね。リズムに乗れるから手元が安定するかも♪」     
「歌ってよ。ミソラちゃんの歌、聴きたいな。」     

「え、そう?じゃあ歌っちゃおうかな〜・・・、委員長、いいかな?」     
「もちろんよ。歌ってちょうだい。」    



手に持った編み棒でリズムを取りつつ歌い出すミソラちゃん。
さすが元プロのミュージシャン!

とてもきれいな声が室内に響く・・・・・・。








♪この世界中溢れてる まだ知らない風景

すべては見れないこと わかってはいるけど

誰かのためとは違う 自分だけに誇れる

何かを探している この胸を満たす♪







歌いながらも、編み棒はリズムを取ったまま毛糸を編んでいく。
すごい、さっきは間違えっぱなしだった手元がウソみたい!






♪時々イジワルな風に 押し戻されて

遠く見える この瞬間だって 



この手が届くまで 今日も歩き続ける

振り返ればそこに 無限の空が見えるから♪








ああ、いけない。

きれいな歌声に気をとられてついつい手が止まってた。
でも、歌っているミソラちゃんはほんとにキラキラしてる。

歌う姿をみつめるツカサ君も。




・・・隣の芝は良く見えるっていうけどその通りだわ。     







「ふあー、スッキリ♪やっぱ歌はいーねえ。」     
「君の作業がそれではかどるならなによりだよ。」







むうう。
負けてられないわ。

セーターのひとつやふたつ、気合い入れて編めばすぐなんだから!


そしたら私もスバル君と・・・・。     







「わあ!コレ、キミが編んでくれたの?スゴイや!」     
「色はロックマン様の青なの。」     
「セーター編むのって時間も手間もかかるんじゃないの?」     
「ええ。でもスバル君を想いながら編むのは楽しくて全然苦じゃなかったわ。」     

「ありがとう。そんなにボクのこと想ってくれてたんだ。」     
「やだ・・・そんな・・・・。」     

「キミってほんとにステキな女性だね。お礼と言ってはなんだけど、今からキミを夜空の散歩に連れて行ってあげるよ。」     

「まあ、ステキ!」     


「愛してるよ・・・、ルナ。」







・・・・なぁーんちゃって!

そして私はロックマン様に抱かれたまま、空中散歩を愉しむのv
ちょっぴり寒いけど、彼の腕の中はとてもあたたかくて・・・・・(悦)








きゃーーーーーーーッッvv
そんなことになったらどうしましょう、私ッッ!
    







「いいいんちょ〜?どしたの〜?」     

「・・・・・え?」     
「なにボーッとしてるの?」     

「い、いえ、なんでも・・・!」







あはは。ちょっとドリーム入りすぎちゃったかしら。

冷静に考えてみればあり得ないわよねえ。
私ってばスバル君に対してあんなに素直になれるわけないし、
スバル君もあんな気の利いたセリフ言ってくれるわけないもの。

頼めば空中散歩くらいはしてくれると思うけど・・・・。
でもそれじゃあロマンチックな雰囲気なんて出ないし。     







「委員長?今度はすっごい難しい顔してるよ?」     
「あはは・・・・。なんでもないの、気にしないで!」







いいじゃない。
ちょっとくらい夢みたって。
私だって恋に夢見る乙女なんだから。

そりゃあ、夢が全部現実になるだなんて思ってないけど
ときめきのない枯れた熟年夫婦みたいな恋愛とか
現実ばっかり突き付けられて興ざめしちゃうような恋愛は絶対イヤ!




よおし、このセーターでスバル君と理想的な恋人関係を築くのよ!
気合いは十分。
編み手も絶好調。
頑張れ私!     







「スバル君に内緒じゃあ学校では作業できないよね。僕たちに気兼ねせずいつでも来るといいよ。」     
「そーだよ!一緒にやったほうが楽しいし、はかどるよきっと!」     

「ありがとう、ツカサ君、ミソラちゃん。」







なんか妙な連帯感が生まれちゃった。
でもこうやって作業の場所を提供してくれるのは正直うれしいかも。
家じゃあついつい忘れがちになっちゃうかもしれないし。

そんなわけでセーター製作が終わるまで私はスバル君よりもツカサ君たちと 一緒の時間のほうが多くなっていった。     







「委員長、一緒に帰ろうよ。」     
「あ、ごめんなさい。私今日ちょっと用事があって・・・」     
「そうなんだ。じゃあまた今度ね。」     
「うん。ごめんね。」







こんな感じでスバル君の誘いを断る回数も多くなっていって・・・。     







「まあ、ツカサ君、もうすぐ完成じゃない。すごいわ。」     
「集中しちゃうと何時間でもやれちゃうんだよね、これ。」     
「あ、それわかるわ。気がつけば結構編めてたりするのよね〜。」     
「自分の努力の成果が目に見えてわかるのが嬉しいっていうか。」     
「そうそう!」     


「ずいぶん楽しそうだね、なんの話?」     
「ス、スバル君?!」







きゃあ!び、びっくりした。
今の話、聞かれてないわよね?!     







「このセーター、もうすぐ完成なんだって話をしてただけだよ?」     
「へえ、そうなんだ。」     
「そ、そうなの!あはは・・・・。」     
「委員長、なんでそんなに焦ってるの?」     
「あ、焦ってないわよ?」     
「ふうん・・・。」







スバル君に悟られないように必死に作り笑い。
最近ぎこちない態度取っちゃってること、もうバレバレだろうなあ・・・。



でも、クリスマスまであと2週間切ったのよ。
そこまでの辛抱・・・・・・!     







「委員長っ!」     

「な、なあにスバル君、コワイ顔して・・・」     
「一緒に帰ろう。」     
「え、ちょっと待って、今日は・・・」







な、なんなのよ、そんな怖い顔しなくたっていいじゃない。
しかも何でそんな強引なのよ?     







「・・・最近ボクのこと避けてるよね。」     
「え?そ、そんなことないわよ。」     
「じゃあどうして一緒に帰ってもくれないのさ?」     

「よ、用事があるんだもの、仕方ないじゃない・・・」     




「ツカサ君の家に通うのがボクより大事だってこと?」







やだ!バレてる!
悟られないように回り道してたのに!     







「し、知ってたの・・・?」     
「最近やたらツカサ君と一緒だから気になってたんだよ。まさか、家まで行ってるとは思わなかったけど。」     
「あ、あの誤解しないで?私、ツカサ君とは何も・・・」     

「じゃあなんで最初っからそう言ってくれないんだよ!」     
「ご、ごめんなさい、私、自分のことで精いっぱいで・・・」







ああ、まさかバレちゃうなんて。
こんなことならツカサ君家に通うことだけでも言っておけばよかったな・・・。     




「キミのこと信じてないわけじゃないよ。ボクに何か不満があるなら・・・」     

「不満とかそんなんじゃないの。」     
「じゃあ、なに?」







言えないわよ・・・。
クリスマスの楽しみだもの。     







「・・・今はまだ・・・言えないの。」     
「なんでさ?!これで不安になるなってほうが無理だよ!」     

「でも言えないんだからしょうがないじゃない!」







スバル君の言うことは痛いくらいわかる。
でも、ここでホントのこと言っちゃったら今まで隠してきた意味がないの。     







「・・・・そう。わかったよ。じゃあもう好きにしろよ!」







な、なによう、そこまで怒鳴ることないじゃない・・・・!
スバル君はそのまま走って行っちゃった。



私が悪いことくらいわかってるわよ。
2週間後には今のイヤな気持ちを全部忘れるくらい驚かせてあげるんだから。







「・・・できたっ!」





製作期間2か月。
やっとセーターの完成ッッ!

ツカサ君はすでに数日前に完成させてて、 余った毛糸で何かやってるみたい。







ミソラちゃんはと言うと・・・・。







「うあああ!いいところで毛糸足りなくなったあ!」

「・・・・・(汗)なんで同じ大きさのセーター編んだのに足りなくなるの?」
「知らないよう!そんなの毛糸に聞いてよ!」
    
「はぁ・・・。まあいいか。とりあえずおつかれ、委員長。あとの子守りは僕の役目だからもう大丈夫だよ。」







ミソラちゃんをなだめつつ、笑いかけてくれるツカサ君。     







「あ、ううん。私のほうこそありがとう。」     
「スバル君、喜んでくれるといいね。」     

「うん。」







明日は待ちに待ったクリスマスイブ。

学校の終業式もちょうどその日だから帰りにスバル君を誘ってみよう。
・・・まぁ、イブだから向こうから誘ってくれるかも知れないけどね。
    




「・・・悪いけど、誰か別のひと当たってくれる?ボク、今そんな気分じゃないんだ。」     


「べ、別のひとって・・・!今日はイブなのよ、あなたしかいないじゃない!」     
「クリスマスイブは必ず恋人とすごさなきゃならないなんて決まりはないだろ?」







なんですって?!
何よその武装理論は!
そんなに私のことがイヤだって言うの?!

いくらこのあいだスバル君を拒絶したからってこれはあんまりだわ!     







「な、なによ、もしかしてこのあいだのこと根に持ってるの?!」     
「・・・・・・・・・。」     

「もう!意外と引っ張るのねえ!」     


「ボクといるよりツカサ君の家に行けばいいじゃないか。きっと楽しいよ。」     
「やきもち妬くのもいい加減にしてちょうだい!」     
「キミがそんなこと偉そうに言える立場なのかよ!」







うっ・・・・(汗)
確かにその通りかもしれない・・・・!     







「わ、わかったわよ、どうしてあの時言えなかったのか全部話すから・・・」     

「・・・後で聞くよ。とにかく今日はもうほっといてよ。」     
「どうしてよ!全部話すっていってるでしょう?!」     
「そういう問題じゃない!もう帰れよ!」     



「なによ、このわからずやーーっっ!」







・・・・最悪・・・・。 楽しみにしてたクリスマスイブ。 なんでこんなことになっちゃったの・・・・?







これから行くアテなんてない。 でも・・・このまま家に帰る気分にはなれない・・・。




どうしよう、ミソラちゃんたちに相談・・・・・、
・・・・ダメよ。せっかくのイブなんだもの。 あのふたりだって邪魔されずに楽しくやりたいにきまってる。     







「ねえねえ、これからどうする〜?」     
「カラオケ行こう、クリスマスソング歌ってやるよ♪」     
「あはは!いいわねえ!」     


「もしもし?今仕事終わったよ、これから帰るから・・・・・・・ああわかってるよ、プレゼントだろ?ちゃんと買ったよ。」







楽しそうなカップル。
嬉しそうに家に電話するお父さん。

みんな笑顔。

クリスマスはみんな楽しそう。







そんな人たちを私はひとり公園のブランコに座ったままみつめる・・・。







・・・どれくらいここにいたんだろう。
もうあたりは真っ暗。
寒くなったきたし、もう帰ろうかなぁ・・・・。     







「あれ?どしたの、おじょうちゃん?」     
「?!」







ヤダ、なにこのオジサン?!
・・・・お酒くさいッッ!     







「ダメだよぉ?早くおうちに帰らないとヘンな人に襲われちゃうよ?」     
「そ・・・そうね。今から帰ろうと思ってたの。」


ヘンな人ですって?! そんなのあんた以外に誰がいるっていうのよッッ!     




「ああ、夜道の一人歩きは危ないって。オジサンが送っていってあげよう。」     
「いいです、ひとりで帰れますから!」







怖い!
早くここから離れたい!     







「おいおい、待てって。」     

「きゃああっ!」     
「何逃げてんだよ、せっかく親切にしてやろうとおもったのによ〜」     
「いやあ!放して!誰か!誰か助けて!」     


「委員長!」







・・・・・え?     







「あ?なんだ、ガキはあっちいってろよ。」     
「嫌がってるじゃないか、放せよ!」     

「なんだと、なにエラソーにしてんだこの・・・」     
「ウォーロック!」




私、もうパニくってて、なにがどうなったのかよくわからなかった。
でも、いきなりブランコがオジサンのアタマに当たってそのスキに必死で逃げた。     







「はぁ・・・、はぁ・・・!」     
「なんでこんな暗くなるまでこんなとこにいるんだよ!痴漢に遭うことくらい考えられなかったのか?!」




私の手をひいて、その場から連れだしてくれたのは・・・     







「ス、スバルく・・・・・」







・・・ああ、スバル君だわ。

今一番逢いたかった人。
スバル君はあいかわらず怒ってるのに、その顔をみたら安心して泣けてきちゃった・・・。     







「・・・・ツカサ君たちから話聞いたよ、全部。」     


「えっ・・・・・・。」     

「あのさ、内緒のプレゼントがあるならもっと適切な言い方あったんじゃない?」     
「て、適切っていったって・・・・ど、どんな?」     
「えっと“今はまだ言えないけどきっといいこと、楽しみにしてて!”・・・とか。」     


「そんな言い方じゃあプレゼントがあるのバレバレだわ。」     
「いいんだよ。そしたらクリスマスがもっと楽しみになるでしょ?」     


「なによぅ・・・、私はビックリさせたかったのに・・・!」     
「ビックリしたよ、心臓とまるかと思ったもん。」



そういうとスバル君は私をぎゅっっと抱きしめてくれる。







スバル君・・・、私よりもドキドキしてる。
心配かけて・・・・ごめんなさい。     







「さてと。もうこんな時間だけどせっかくのイブだし、どこか行く?」     
「そうね、じゃあ・・・・」







気づいてくれるかな。
淡い期待をしつつ、夜空を指差してみる。







スバル君はしばらく私の指差したほうをみつめてたけど
何かに気づいてこちらに向きなおる。


そして。     







「電波変換!星河スバル、オン・エア!」







私の目の前に現れたのは愛しのロックマン様!
ロックマン様は少しわざとらしく会釈し、気取ってみせた。     




「これから夜の空中散歩なんていかがでしょう?」     
「嬉しい!ロックマン様ッッv」     

「わわッッ?!」







なんて幸せ!
夢が現実になっちゃった!
えーい、ロックマン様に抱きついちゃえ!     







「ロックマンになったとたんいきなりデレるのやめてよ・・・(拗)」     
「あ、ごめんなさい。つい・・・・」







あ、ぷーっと頬をふくらませてちょっぴり拗ねちゃった。
何度も言うけどスバル君よりロックマン様がいいわけじゃないのよ?

ロックマン様の姿のほうが甘えやすいだけ。     







「よし、行くよ。しっかりつかまって!」     
「うん!」







星々の大海が眼前に広がる。

すごい!まるで星の海の中で泳いでるみたい・・・!


星の海の中のランデブーナイト♪


今日は今までで最高のクリスマスイブだわ!     







「まったく、つくづく世話の焼けるふたりだよね。」     

「・・・感謝してるよ、ツカサ君には。」     
「ほんとに?」     
「あたり前じゃないか。」     


「ねえ、これスバル君のために編んだんだ。感謝してくれるなら穿いてみせてよ♪」     
「ちょっ・・・!これ、毛糸のパンツじゃないかっ!」     


「かわいいだろ?このピンク♪」     




「なんの罰ゲームだよ〜〜〜ッッ!(泣)」







あはは。やっぱりこんなオチなのね・・・。(汗)        









オシマイ。
2007/12/27 作成38







●あとがきもどき●

2年前のクリスマス時期に書いた小説もどきです。
Wカップルのそれぞれのクリスマスまでのやりとりを比較させたくて書いてみました。

このころはツカサ君もレギュラーメンバーになるって信じてたんだよ!
だから、ミソラの相手としてはいいんじゃないかって。
とくにアニメのふたりだとスバルナとはまったく違った微笑ましいカップルになること請け合い!

特殊なカップリングなので、なかなかUPできずにいました。
まあ、でもちょうどクリスマスイブだし、いいかな〜、なんて。

完成させたあと、結局セーターを渡してないことに気づいた・・・・。
こ、このあと渡したんだよ!わははは!(ゴマカシ)




このページの背景素材お借りしました!有難うございます!
素材あります・月兎屋



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