■スバル×ルナ   「素顔」■



★流星1(ドリーム設定)★

No`7「恋々」の続き話です。
キザマロにおふざけチュー現場を目撃された後どうなったか。

色恋沙汰の噂って気がついたら学年中に広まっていたりします。
ルナほど真面目なコならなおさら。

ツンデレMAXなルナとそれに振り回されるスバルたん♪

今回のスバルたんはちょっとイタズラッコです。
照れるルナが可愛くてしょうがなくて意地悪してます。
ウチのスバルたんはそんな男のコなのです♪
















「なんなのよもうっ!」

「・・・そうやっていちいち反応するから余計おもしろがるんじゃないかな。」









小学校の廊下を怒りにまかせてヅカヅカ進むルナ。
その後を早足でおいかけるスバル。まるで競歩だ。



「・・・ちょっと、ついてこないでよ!」

「どうしてボクを避けるのさ?仲直りしてくれたじゃないか。」     
「あなたといるとまた皆にからかわれるじゃない!」     

「・・・だからキミが反応しなきゃそのうち皆も飽きるって。」








    
「なんで私があなたとデキてるなんて下品な噂たてられなきゃなんないのよっ!」
    
「無視もできないほどイヤなの?」




    





「イヤに決まってるじゃない!」




意地っ張りなルナは照れを怒りでしか表現できない。
口で言うほど彼女はスバルとの噂に嫌悪感を抱いてはいないのだが、
そんなことスバルは知る由もない。
こうもハッキリとイヤだと言い放たれてしまうとさすがにショックが大きい。






    
「・・・・わかったよ、ゴメン・・・・。」






足を止め、ルナを見送るスバル。
スバルの反応を見て、ルナは少し言い過ぎたかなと思ったが、そのまま立ち去る。

このふたりは先日そろって生活指導を受けている。
担任の育田先生が良心的な先生で、生活指導自体はふたりから事情を訊くのみだったが、
指導を受けるに至った理由が皆の興味をそそってしまったようだ。その理由というのが







“星河スバルと白金ルナが学校の屋上でキスしていた(イチャついていた)” というもの。






そういう噂がたってしまってはいるが、このふたりは付き合っているわけではない。
でも、噂通り屋上でキスをしたというのは事実なのだ。





好意を寄せあってではなく、勢いと悪ふざけでついしてしまったキス。




それを運悪く目撃されてしまったのが噂の発端だ。
そんな噂が流れると、当然皆はふたりが付き合っているものと思うだろう。
色恋沙汰の噂はまわりが早いうえに尾ビレ背ビレがつきやすい。
ルナはあとからどんどんついていくヒレ達を恐れて、スバルの傍に近づかないのだ。






    
「・・・まいったなぁ・・・・・。」






対するスバルは皆の噂やからかいなど、まったく気にしていない。
ただ、ルナがそのせいで自分を避けているのが嫌なのだ。

ルナと今まで通り仲良くしたい。そう思っているだけなのだ。






    
「スバル君には悪いことしちゃったかしら・・・・。」






スバルを振りきったルナはトボトボと廊下を歩く。







    
「(スバル君が私の恋人・・・かぁ・・・。)」






ふとルナは先日スバルとキスしたときのことを思い出した。



かなーり前に書いた落書きが出てきた・・・。



自分の顔を引き寄せる彼の手。
やわらかかった彼の唇。
顔を赤らめたままこちらをみつめる彼の眼差し。







    
「(・・・もしスバル君の恋人になったらもう一度あんな・・・・)」





つい続きを妄想してしまうルナ。
しかし後ろからかけられたキザマロの声で我に返る。






    
「委員長―。つぎ移動教室だから早く準備しないと遅刻しますよー?」     
「(ハッ!や、やだ私ったら何考えてるのよっ!)」






恥ずかしさで真っ赤になってしまうルナ。
そのままの勢いで移動先の理科実験室へ走る。











うわの空で食塩水をあたためているルナ。
ガスバーナーの火力の調節もままならない。
沸騰しつつある食塩水。

その様子をハラハラしながらみているスバル・ゴン太・キザマロ。
スバルがルナに声をかける。






    
「あ、あのさ火傷すると危ないからボクがやるよ。」






スバルはルナの手からかきまぜ用のガラス棒を取ろうとする。
自分の手にスバルの手が触れていることに気がついたルナは動揺して
ビーカー内の食塩水をこぼしてしまう。

   

 
「きゃっ!あつっ・・・!」     
「うわっ・・・、だ、大丈夫!?」





ルナの手に沸騰した食塩水がかかる。
スバルは自分のハンカチを取り出し、水に濡らして火傷部分に巻きつける。
    


「先生、委員長を保健室に連れていってもいいですか?」     

「まったく、火を使うときはもっと慎重に頼むぞ。」     
「すみません、さ、委員長行こう。」     
「え、ええ・・・・。」






ふたりは理科実験室を出て保健室へ向かう。
ふたりが教室の外にでた途端、教室内が騒がしくなる。






    
「せんせー、あれぜってーわざとだぜー?!」     
「やだぁ、保健室でふたりっきりになりたかったとかぁ?」     
「コラ!静かにしなさい!実験中だぞ!」
    
「あははは〜星河くんたちあいびきだ〜。」






皆の声は教室の外までまるきこえ。
ルナは教室内に戻ろうとドアに手をかける。






    
「だめだ、委員長、行こう。」     

「で、でも・・・・・。」     
「いいから!」






スバルはルナの手を握り、強引に保健室のほうへひっぱっていく。






    
「ちょ、ちょっと離して。保健室くらいひとりで行けるわ。だから・・・・」






    
「・・・・・・委員長はボクのこと嫌いなの?」     




「! な、なんでいきなりそんな話になるのよ?!」     

「・・・そりゃ、ボクがキミにキスしちゃったのは勢いだったし、
実際ボクらは付き合ってるわけじゃない。・・・けどさ。」     

「・・・・けど?」






    
「けど、あの噂をそこまで毛嫌いするのはボクのこと嫌いだとしか思えないよ・・・。」






握っていたルナの手を離し、うつむいてしまうスバル。
照れ隠しの意地を張ったことで彼を傷つけてしまった。
ルナはあわててフォローを入れる。







    
「ち、違うの!私そういうつもりじゃなくて・・・あの・・・・(焦)」     
「?」






    
「は、恥ずかしかっただけなの・・・・。」



    
「・・・え?」     

「噂されるのが恥ずかしくて・・・、で、でも意地張ってたらあんなことしか言えなくて・・・・。
その・・・、ごめんなさい・・・・。」






しどろもどろになりながらなんとか謝罪の言葉を口にするルナ。
いつもの印象と打って変わった彼女の態度についドキッとしてしまうスバル。










    
「(委員長てこんな態度もするんだ・・・)じゃ、じゃあボクが嫌いなわけじゃないんだね?」     



「・・・・嫌いな相手にキスしてなんて冗談、言えるわけないじゃない・・・(照)」











    
「(ど、どうしちゃったんだ委員長?なんかこう・・・か弱いってゆーか、女の子らしいってゆーか・・・。)」










スバルはどうやらこういうギャップに弱いらしい。
照れてしおらしくなった彼女をやたら女の子として意識してしまう。












    
「(か・・・かわいい・・・・!)」










一度意識しだすとこういうのは止まらなくなってしまう。
心臓がバクバクいってるのがわかる。












    
「い・・・委員長・・・。」     
「・・・なに・・・・・・?」













    
「冗談でも・・・悪ふざけでもないキス・・・したい。」


    
「・・・・・・・・・・!」












ルナの胸が高鳴る。さっきの妄想が現実になってしまったからだ。









    
「・・・・だめ・・・・かな・・・。」     
「・・・・・・・。」










ルナは黙って首を横にふる。
緊張して震える手をゆっくり彼女へと伸ばすスバル。








    
「ス、スバル君・・・」









彼女を自分のほうへ引き寄せて、強く抱きしめるスバル。









    
「嫌われてなくてよかったぁ・・・・。」     
「・・・誤解させてごめんなさい・・・・。」










スバルは自分の顔をゆっくりルナに近づけていく。
恥ずかしさで目を閉じるルナ。

ふたりの唇が重なる。







―――――――――――カツン――――――――――――     




「!」






静かな廊下に誰かの靴音が響いた。
ふたりはあわてて顔を離す。
音のほうに振り向くと、キザマロが立っていた。トイレに行く途中だったらしい。






    
「ほ・・・保健室に行ったんじゃなかったんですか?」     

「いや、あの・・・これから行くところなんだ・・・・」     






「スバル君・・・・見たところ今回のキスも君からのようですが、
どうして君は付き合ってもいない女の子と何度もキスできるんですか?」     






「・・・・・・・・・・。」






怪訝そうな顔でスバルに尋ねるキザマロ。
彼の言葉にぐうの音も出ず、黙り込んでしまうスバル。

すると見かねたルナが口をひらいた。







    

「・・・・つ、付き合ってるわよ、私たち。」     

「え?(委員長!?)」     
「で、でも委員長はあの噂はデタラメだって言ってたじゃないですか・・・」     
「あれはウソよ。からかわれたからウソついただけなの。」     




「(委員長・・・。ボクのために・・・・?)」






付き合ってもいない異性と関係を持つということはお世辞にも良いとは言えない。
ここで本当のことを明かせばルナよりも行動を起こしたスバルの人格が疑われてしまうだろう。
節操がないと言われても当然のことと受け止めるしかないのだ。
でも付き合っているということならばそこまで悪印象は持たれないはずだ。






    
「な、なんだ、そうだったんですか・・・。」     

「そ、そうなんだ。委員長ってば意地っ張りで・・・アハハ・・・(汗)」     



「でも、授業中にイチャつくのは関心できませんよ、委員長。」     
「ご、ごめんなさい・・・・(照)」






ふたりが付き合っているということを認めると、皆のほとぼりは一気に冷めた。
からかいのやじはときたま飛ぶが、前ほど多くはなくなった。
やはり皆、ルナの反応を楽しんでいたのだろう。






放課後、スバルとルナはそろって下校する。
スバルとふたりきりのため、ルナは照れてうつむいたままだ。






    
「・・・今日はありがとう、委員長。」     


「・・・・なんのことよ。」     
「かばってくれたんでしょ、ボクのこと。」     

「結果的にそうなっただけでしょ。私はそんなつもりじゃなかったんだから。」






照れてソッポを向いてしまうルナ。
そんな彼女の様子をじっとみていたスバルだが、突然悪戯な笑みを浮かべる。






    
「・・・いまのは意地張ってるんだよね?」     
「な・・・っ、なに言ってるのよ?!」







図星をつかれて焦りまくるルナ。
みるみる赤くなるルナの顔をみて、スバルは大笑いしてしまう。



    



「あっはははっ!や、やっぱそうなんだ今の?!」     

「な、何がおかしいのよ!バカにしないで!」     
「ゴ、ゴメン、でもバカにしたわけじゃないよ?」     
「じゃあ何で笑ってるのよ?!」






    
「いやぁ、・・・かわいいなぁ、と思って。」     






「(ドキン!)なっ・・・・!」     

「今日いろいろ話してみてキミがどういうコなのかだんだんわかってきたよ。
・・・本当はとても優しいんだってことも。」






ルナの性格が高飛車でキツイ印象があるのは彼女の普段の物言いのせいだ。
他人を見下した態度をとったりつい怒鳴ったりしてしまうのは
彼女が他人との接し方がうまくないためだ。

本来のルナの性格は真面目で優しい性格なのだが、
ルナ自身が不器用なためうまく感情表現ができないでいる。
スバルはそういったルナの素顔を知り、ますます彼女に好意を持ってしまったのだ。






    
「・・・・付き合ってるんだ・・よね?ボクたち。」     
「し、仕方ないでしょ?!そういうことにしちゃったんだから!」






またも意地を張ってしまうルナ。
・・・これはもう癖みたいなものだ。

でも今のスバルにはルナが本心なのか
ただ意地を張っているだけなのかがなんとなくわかるらしい。
ルナの言葉にまた悪戯な笑みを浮かべる。






    
「今夜展望台に行こうよ。多分今夜はプレアデス星団がキレイに見えると思うんだ。」     

「プレアデス星団?」     
「うん。青く光っててとってもキレイな星なんだ。どうかな。」     
「ふうん・・・。ロマンチックね。いいわよ。」






    
「・・・・ボクたちの初デートだね。」






初デートという言葉につい真っ赤になってしまうルナ。
ルナのその姿をみてスバルはまた笑いをこらえきれず吹きだす。     



「ぷはっ・・・!は、反応がかわいいよ委員長っ・・・!」     
「い、いちいち笑わないでちょうだい!失礼しちゃうわ!」






じゃれあいながら(笑)校門を出て行くふたり。
その手はしっかりと繋がれている。

なりゆきでつきあうことになってしまい、好きという言葉すら交わせずじまいのふたりだが
気持ちの再確認など今は必要ないようだ。













・・・・ふたりでいることが一番であればそれでいい。






                                                




おしまい。2007/03/14作成10








●あとがきもどき●

ヤッチャッターーー♪

またまたチューサセチャッターーー★
もうね、照れるスバルに意地っ張りルナが可愛いのなんのって!
たどたどしく相手を引き寄せる様はもう想像しただけで悶絶モノです。

最後の下校シーンでの会話が一番スキです。
スバルはルナが可愛くてしょうがなくなるとちょっと黒くなっちゃいます。
からかって、ルナが照れる様を見たいから。

ぬおおぉ・・・・!スバルナ可愛いなあ、チクショウ!




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