■ロックマン×ルナ   「手枷」■



★流星1(ドリーム設定)★

アニメの五陽田警部が大好きなのです。(いきなり何)
本人の意思に反して離れられなくなる系のネタ大好きなんです(だから何)

ヤッチャイマシタ★手錠ネタ!!

あ、ダイジョブです。エロネタじゃあないので。

またまたジェラシースバルネタに走ってます。
ちょっとふてくされるスバルたんに激萌え♪























「きゃああ!人があんなところで宙吊りに!」









休日のコダマタウン繁華街に響く女性の叫び声。
女性の見上げる先には高層ビルの外壁に清掃作業員が宙づりになっている。
どうやらゴンドラのロープが片方切れてしまったようだ。


    
「うわ、なんだアレ?!」     
「誰か、救助隊には連絡したの?」


急に騒がしくなる街。
高層ビルのふもとに野次馬が次々に集まる。
その中にスバルとルナもいた。


    
「きゃ!あ、あれ見てスバル君っ!」     
「腕だけでぶら下がってる状態だ、救助隊待ってたら      
たぶん間に合わない・・・!」     
「な、なんとかならないかしら?!」     
「助けなきゃ・・・、委員長、ここで待ってて!」



スバルはそういうと建物の影に走り出す。
電波変換するために駆けていくスバルの背中を見送り、
ルナはふたたび高層ビルのほうに目をやる。
するとビルのふもとの野次馬の中に見覚えのある顔が。









    
「あれは・・・。サテラポリスの警部さん!?」









その刹那。
ゴンドラにつかまっていた手が離れ、作業員が落下。









    
「うわああーーーーーーーっ!!」     

「きゃああ!落ちたわ!」     
「ああ、もうだめだ!」     
「ちょ、待て!何だあれ?!」




落下する作業員のそばにロックマンが周波数帯を変えて現れる。









    
「――届けっ!」









ロックマンは手を伸ばしてなんとか作業員の袖をつかむ。
そのまま体勢を立て直し、地面に着地。
ロックマンに飛行能力はないが、電波人間ならば
これくらいの高さから 飛び降りたとしても着地するのはそう難しいことではないのだ。     




「大丈夫ですか?」     
「あ、ありがとう、助かったよ。」




ロックマンが作業員から手を放そうとした、そのとき。









    
「みつけたぞ、ロックマン!」




仁王立ちでロックマンの前に立つ五陽田。
その手にはもちろん手錠がにぎられている。
いつも追いかけまわされ、ロックマンとしてはあまり会いたくない相手。
    

「け、警部さん?!マ、マズイ!」     
「逃がすかっ!」




ロックマンは踵を返し、逃げようとするが それをみすみす逃がす五陽田ではない。

そのとき上空で宙づりになっていたゴンドラが自重に耐えきれず、
ロックマンの頭上めがけて落下してきた。
いち早くゴンドラに気づいたルナが叫ぶ。


    



「だめ、逃げて!」     
「・・・・・・え?うわああッ!」









ロックマンのそばに大きな音を立て落下するゴンドラ。
土煙が晴れると、ゴンドラの手前で尻もちをついたロックマンが見えてくる。









「あ・・・危なかったあ・・・。なんとかセーフ・・・。」
「いや、アウトだ。」


「ゲッ!」





よくみるとロックマンの右手には五陽田の手錠がしっかりかかっている。
五陽田は手錠のもう片方をしっかりと握り、勝ち誇った顔で叫ぶ。




「御用だ、ロックマン!一緒にサテラポリスまで同行願おうか!」
「こ、こんな手枷、周波数帯を変えて・・・・!あ、あれ?」





ロックマンは周波数帯を変えて手錠をすり抜けようとする。
が、一度消えかけた体は再び現実に引き戻されてしまった。









『どうした?!』
「な、なんで?可視周波数帯から抜け出せない・・・!」





わけがわからず焦るロックマンとウォーロック。
その様子をみて五陽田はもう、大はしゃぎだ。









「わーははは!どうだ!それは対電波人間用の周波数帯規制手錠だ!
いくら貴様でもその手錠は外せまい!」




手錠の名前から察するに、これは拘束した電波人間を
強制的に可視周波数帯に留めてしまう代物なのだろう。
今のロックマンの身体は人間と同じく質量のある身体なのだ。
つまりこの手錠を物理的に外すしか逃れる術はない。





「・・・っ、この!」
「ありゃ?!」






高笑いをする五陽田のスキをついてロックマンは拘束された腕を思い切り振るう。
その勢いで手錠が五陽田の手から離れてしまった。



宙を舞う片方空いた手錠。









「スバ・・・ロックマン様!」





ロックマンのピンチを救おうとルナがロックマンに駆け寄る。
大事な人を助けたい一心で伸ばされたルナの左手。


・・・しかし。









「  あ! 」









 
なんと片方空いた手錠がはずみで彼女の手にかかってしまった!


これにはルナもロックマンもびっくり。
五陽田までも目を丸くしてしまった。
    

「な、なによこれえ!?」


いきなり左手の自由を奪われたルナは混乱してしまう。
外そうと手錠をつかむがびくともしない。



    

「な、なんで来たんだよ!?(待っててって言ったのに!)」     
「あなたが捕まっちゃったから助けようとしたのよ!」     
「キミが来てもどうしようもないじゃないかっ!」     

「コラァ!一般人を巻き込むんじゃない!」     
「ボ、ボクに言わないでよ!」     
「もう、何でもいいから早くコレ外して!」





予想外の出来事に3人は混乱するばかり。
だんだん収集がつかなくなってきた。










    
「仕方ないなあもうっ!」     
「きゃああっ!」









ロックマンはルナを抱き上げると大きく飛翔し、その場を離れる。
またまたロックマンを取り逃がす五陽田。









    
「コ、コラ待てえーーーーー!!」     

「ちょっとお!いきなり何するのよーーーっっ!」     
「ゴメン、一緒に来て!」     


「ロックマンが一般人の少女を誘拐した!至急追跡だ!!」









あたりに響くルナの叫び声。
はたからみたら確かに誘拐にしか見えない・・・・。
トランサーに向かって声を張り上げる五陽田。

しかし表情には余裕の色が見てとれる・・・・・。









    
「なんで勝手なことばっかするんだよ!おかげで誘拐犯扱いじゃないか!」     
「何ですって!人が心配してあげてるのに!」     
「心配してくれるのは嬉しいけど手は出さないでよ!ていうか危ないし!」     
「なによう!自分の身も満足に守れない人が偉そうにしないでよ!」









人気のない公園。
その一角で腕をつながれたままの状態で口論をはじめるふたり。
このふたりの口論はいつものことだが今はそんな場合ではない。
ウォーロックは少し苛立ちつつもロックマンにツッコみを入れる。
    



『おいスバル!そんなこと言ってる場合じゃないだろう!』     
「そ、そうだった!はやくコレ外す方法考えないと・・・。」     
「スバル君の姿に戻れば?」     
「さっきから試してるんだけど・・・ダメなんだ。
よくわかんないけど、この姿で固定されちゃってるみたい。」     

「壊せないの?」     
「びくともしない。さすが対電波人間用だ。」     
『なかなか侮れないな、あのおっさんも。』     
「ウォーロック、何かいい方法ないかな?」     

『コイツの解除キーは恐らくあのおっさんが持ってる。
夜を待っていただくしかないな。』     

「・・・そうだね。じゃあそれまでどこか安全なところに隠れて待とう。」









作戦は決まった。
立ち上がり、場所を移動しようとするロックマン。
しかしルナに引っ張られて止まる。
    




「あの・・・」     
「どしたの委員長?」     
「その前に・・・その・・・・。」     
「?」









    
「お、お手洗いに・・・・。」     
「ええっ?!」









そのまま公園の公衆トイレに強制連行されてしまうロックマン。
向かった先は当然、女子トイレだ。
ロックマンはトイレのドアにマヌケに張り付いたままルナを待つしかない。
誰かが入ってくればたちまち痴漢扱いという切羽つまった状態のロックマンに
更に追い打ちをかけるようにルナが叫ぶ。
    




「ちょっと、耳ふさいでてちょうだいよ!?」     
「こ、こんな手なのに無茶いわないでよ!
それより誰か来る前にさっさと終わらせてよ!」     
「最低〜〜〜〜っ!!」


トイレのドアごしにぎゃあぎゃあ騒ぐふたり。
ウォーロックはひとりワケがわからず首をかしげている・・・。
そして。









    
「ここが安全な場所?」     
「パパ達、今日は深夜まで戻らないから安心よ。」









白金家の広めのカウンターキッチン。
そこでさっきとはうって変って上機嫌で紅茶を淹れているルナ。
・・・ロックマンも繋がれているのでそこにいる。
ロックマンの顔をちらりと見やり、ルナは嬉しそうに話しかけてくる。









    
「うふふ♪ロックマン様がウチにくるなんて夢みたい♪」     
「何度も来てるじゃないか。なんでそんなにうれしそうなの?」     
「だって、ロックマン姿のあなたとこんなに傍にいるの初めてなんですものv」     

「はあ・・・・。」     
「やっぱりロックマン様は姿もりりしくて素敵だわv」









完全デレ状態のルナ。またもロックマンの顔をチラ見し、胸をときめかせている。
しかしロックマンは彼女の態度が面白くないのか少し拗ねたように答える。









    
「スバルのときはこんな素直じゃないくせに・・・。
ボクへの態度がえらく違うね。」     
「え?なんのこと?」     

「・・・自覚ナシか・・・。」









いつもの自分と今日の自分。どちらも自分であることにかわりはないのに、
ルナの態度がこうも違うようではやはりスバルとしては面白くない。
スバルのなかで生まれた不満をぶつけるように質問してみる。




















    
「キミはスバルよりロックマンのほうが好きなの?」   









一瞬、きょとんとした表情を浮かべたが、すぐ何かを察した顔になるルナ。
悪戯にロックマンを探るように問いかけてみる。










    
「・・・・もしかして、妬いてるの?」     
「・・・・・!」









ルナに図星をつかれ、赤面してしまうロックマン。
自分では気がついていなかったのだろうか。










    
「やだ、自分で自分にヤキモチ焼くなんておかしな話ね。」     
「だ、だってキミがロックマン、ロックマンばっかり言うから・・・。」

ロックマンのおかしな態度に苦笑いしつつ
ルナは紅茶を淹れる手をとめ、彼のほうに向きなおる。









    
「ロックマン様は憧れよ。大好きだけどとても遠い人なの。      
スバル君は・・・頼りないところ多いけど、誰よりも傍にいる ・・・一応、大切な人。」     

「一応ってなに・・・。」     
「私が寂しがりなのは知ってるでしょ。
いつも傍にいてくれる人のほうがいいに決まってるじゃない・・・。」









照れくさそうにボソリとつぶやくルナ。
ルナにとっての一番はもちろんスバルなのだ。









    
「じゃあ、どうしてこんなに態度が違うのさ・・・。」     

「ス、スバル君相手にこんなにはしゃいだら恥ずかしいじゃない!      
でもロックマン様ならヒーローだから気にせずはしゃげるの!      
だからスバル君といるときは心の中だけで・・・」     

「・・・はしゃいでくれてるんだ?」     

「う、うるさいわね!あなたが情けないから堂々とはしゃげないのよ!      
素直になってほしいならロックマン様みたいにステキな男性になりなさいよ!」     


「・・・どーせボクは情けないよ。」     


「何拗ねてるのよ。・・・ねえ、紅茶淹れたけど飲める?」     
「あ、うん。・・・キミは飲まないの?」     
「・・・またお手洗いに行きたくなったらこまるから・・・。(恥)」     
「あはは・・・(汗)」




ロックマンは苦笑いしながら前に置かれた紅茶カップに手を伸ばす。
しかし。









    
「あ。」     
「ゴメン、もう少し傍にきてくれる?カップに手が届かない・・・。」

左手がウォーロックになっているため、右手しか使えないロックマン。
しかしその右手はルナとつながってしまっているため自由がきかない。     


「・・・こ、紅茶飲む間だけよ。」


ルナはそういうと、さも仕方ないといった態度を演じ、ロックマンの横に座る。
しかしその手はちゃっかりロックマンの膝のうえだ。
少し嬉しそうなルナの顔を見るとロックマンはティーカップをテーブルに戻す。









    
「・・・飲まないの?」     
「飲み終わったら離れちゃうんでしょ?・・・だったら。」









    
「んっ・・・・。」

そういうと、ロックマンはゆっくりとルナに顔を近づけていく。

・・・ルナの唇が塞がれる。









    
「・・・しばらくは残しとこうかなあ。」     

「なに言ってるのよ、バカ・・・・。」









ロックマンの姿ではあるが、言動は当然ながらスバルそのもの。
ここからの深いキスはふたりにとってはすでに当たり前となっていた。
舌を絡めながらゆっくりソファに倒れ込む。









    
「(やだ・・・。なんでこんなにドキドキするの・・・?)」









スバルの姿がいつもと違うため緊張してしまっているルナ。
バイザー越しに見えるロックマンの瞳を少し戸惑いながらみつめる。









    
「・・・ちょっと震えてる。やっぱりこの姿じゃやめておいたほうがいい?」     

「わ、私は全然平気よ。」     
「こんな姿だけど今のボクは星河スバルだからね。」     
「当然よ。ス、スバル君じゃなきゃこんなこと・・・しないんだから。」     

「・・・・うん。」









再び唇を重ねるふたり。
ロックマンの右手がゆっくりとルナのスカートの中に入り込んでいく。
自分の身体のなかに入り込む彼の手の感触。
ルナは口を塞がれたまま小さく呻く。









    
「んん・・・。」

キスの感覚を愉しみながらロックマンに抱きつき、うっとりと目を開けるルナ。
ふと、横を見るとロックマンの左手のウォーロックと目が合った。









    
「ん・・・・・・・。」     
『・・・・・・・・・。』









沈黙。
ルナとウォーロックの視線の交わるところには微妙な空気が・・・。     


「・・・・んんっ!ぷはっ!ち、ちょっと!」     
「んぐっ!!・・・いっででででで!」

ウォーロックの存在に気づいたルナは慌ててキスを中断させる。
そのひょうしに、自分の口の中に差し込まれていたロックマンの舌を噛んでしまう。
あまりの痛みに思わず口を押さえてうずくまってしまうロックマン。     

「ス、スバル君っ!あなたのその左手って確か・・・・!」     
「んぐぐぐ・・・・・ん?」

自分の左手を見つめるロックマン。
するとウォーロックが口を開いた。









    
『・・・心配するな。オレは人間の交尾にゃ興味ねえよ。』     
「生々しいから交尾っていうのヤメテ・・・(恥)」









宇宙人のウォーロックにとっては人間の性行為に興味が湧かないのは当然。
とは言ってもさすがにウォーロックの前でこの続きをするわけにはいかない。
ふたりが苦笑いをしつつ、体を起こした、そのとき。









    
「あ・・・、あれ・・・・?」     
「?」     
「な、なんだ力がはいらな・・・・。」

ロックマンの体から急に力が抜けていく。
急に視界がゆがみ出し、意識が遠のく。     


「ど、どうしたの?大丈夫?!」

力なく倒れてしまうロックマン。
ルナはなんとか彼の身体を支えてやるが、ぐったりして反応がない。
ウォーロックがしまったと言わんばかりに口を開いた。










    
『・・・う、うかつだった・・・!』     
「え?」









    
『電波変換の状態が長すぎたんだ。
スバルの体が耐えられなくなってやがる・・・!』     
「こ、このままだとどうなるの?!」









    
『すぐにでも電波変換を解かないと死んじまう!』









    
「・・・サテラポリスにいかなきゃ・・・!」









コダマタウンの商店街。
そこで買い食いをしているのはゴン太とキザマロだ。
トレカについているオマケのチョコをほおばりつつ、カードのトレード中。
そのとき、ふたりのトランサーが同時に鳴った。
    

「ゴン太・・・!キザマロ・・・!」     
「委員長?」     
「どうしたんですか、血相を変えて?」









    
「お願い、助けて!スバル君が死んじゃう・・・!」     
「!!」









互いに顔を見合わせてうなづくと
ゴン太とキザマロはそろって駆けだす。









    
「委員長!」     
「大丈夫ですか?!」     

「ふたりとも・・・!」




自宅マンション前でロックマンをひきずるように支えていたルナ。
ゴン太たちの姿を見て少し安心した声を出す。
    

「ロックマンじゃないですか・・・!いったい何があったんです?!」     
「話は後よ!ゴン太、スバル君をお願い!」     
「お、おう・・・!」

ゴン太は言われるがままロックマンを背負う。









    
「委員長、これからどこ行くんだ?」     
「それにふたりの手にかかった手錠・・・これはいったい・・・。」     
「サテラポリスよ!そこでちゃんと話すから急いで!」     
「お、おう!」

ルナに促され、慌てて走るゴン太とキザマロ。









    
「五陽田警部、警部に面会をと子供が4人・・・。」     
「・・・子供?」     
「はい、そのうち1人は青い・・・」        


「・・・来たな、ロックマン!」



言葉を遮るように立ち上がる五陽田。
イスに掛けられた上着を羽織り、待合室へと向かう。









    
「・・・事情はわかりました。では、警部さんにすすめられても
取り調べ室には入らないほうがいいですね。」     
「・・・なんでだよ?」     
「ここの取り調べ室は確か、電波を遮断する設備があったはずです。
その中で仮に手錠を外しても、ロックマンは逃げられません。」










   
「よく来たな。」     
「!」





作戦会議中の3人に背後から声をかける五陽田。
慌てて振り返る3人。
ゴン太の背中のロックマンをかばうように
ルナとキザマロはゴン太を後ろ手にする。









    
「・・・?どうしたロックマン、そのザマは?」





ゴン太の背中でぐったりしたままのロックマンをみて怪訝そうな顔で尋ねる五陽田。
    
「この手錠のせいよ、早く外してあげて!」     
「いいだろう、ただし牢屋の中でな。」


ニヤリとする五陽田。
手錠が外せずいつか泣きついてくるとは踏んでいたが
まさかここまで効果があったとは。
五陽田にとっては嬉しい誤算だったようだ。









    
「どうしてよ・・・!どうして彼が捕まらなきゃならないの!?
犯罪を犯したわけじゃないでしょう?!」
    


「奴の力は野放しにしておくのは危険だからだ。」     
「どこが危険なの?!危険どころか何度も助けられたわ私!
今日だって、転落した人を助けたじゃない!」
    

「・・・・・・。」









五陽田の脳裏に作業員が転落し、それを助けに現れたロックマンの姿を思い出す。









    
「このままじゃ死んじゃうのよ、お願い!!」     
「・・・なんだと?」









ルナの言葉をきいた五陽田は血相を変える。
ロックマンに近づき、彼の様子をうかがう。









    
「・・・・・・・・。」






バイザー越しに見えるロックマンの顔色は土気色で血の気が失せている。
昏睡状態なのか、ぐったりしたまま生気がない。
五陽田の目からみてもただ事ではないことがわかる。









追いかけ続けたロックマンを逃がすことに少したじろぎつつも
五陽田は解除キーを取り出し、ロックマンの右手にかかった手錠を外す。









手錠が外れたとたんにロックマンの体が転送消滅。
ゴン太とキザマロが驚きの声をあげる。
    

「わっ!」     
「消えた?!」









    
「警部さん・・・・。」     

「ふん!今日のことはわしも見ていたから知っている!」     
「あ、ありがとう・・・・!」     
「か、勘違いをするな!ヤツをあきらめたわけじゃない!
どんな理由があろうと子供を見殺しにはできん!それだけだ!」

そういうと五陽田は外に向かって歩き出す。
途中でふと足をとめて振り返り、ルナのほうをみつめてつぶやく。









    
「・・・次は容赦なく逮捕するからな。」









サテラポリスの中庭に突如スバルの身体が現れる。
電波変換が解け、芝の上に倒れる。









    
『スバル!しっかりしろ、スバル!!』     
「・・・・・うう・・・・・・。」

ウォーロックの呼びかけに小さく呻くスバル。









    
「ロックマ〜ン!どこですか〜!?」     
「おーい!どこだー!!」

3人がロックマンを探して中庭内をうろつく。
あたりを見回すルナの視界にスバルの赤い服が映る。









    
「スバル君!!」









慌ててスバルのもとに駆け寄り、倒れていたスバルを抱き起こす。     


「スバル君!しっかりして!」     
「・・・委員長・・・・。」

意識を取り戻し、スバルは力なくつぶやく。
自分を呼ぶスバルをみてルナは胸をなでおろす。









    
「・・・・ありがと・・・。キミのおかげで助かったよ・・・・」     
「ううん・・・。無事でよかった・・・」









そういうとルナはスバルを優しく抱きしめる・・・。









やっと帰路に着いた4人。
しかしスバルは身体がまったく動かず、またもゴン太の世話になることになった。     





「ゴメン、ゴン太・・・・ありがと・・・・」     
「気にすんなよ、でもお前ほんとに大丈夫なのかよ?」




ゴン太の背中で申し訳なさそうにつぶやくスバル。しかしゴン太は
首すらすわらず完全にゴン太に身体を預けたままのスバルのほうが心配なようだ。     



「うん・・・。電波変換さえ解ければ大丈夫みたい・・・」     
「まったく、キミにも委員長にも驚かされっぱなしですよ。」





キザマロの言葉にスバルとルナは顔を見合せて苦笑い。
目のあったルナにむかってつぶやくスバル。
    




「・・・でも今回は委員長と繋がれてなきゃ助からなかったなあ・・・。」     
「な、なにいってんのよ・・・・。(照)」     

「ボク、委員長となら繋がれたままでもいいかな・・・・。」     
「バカなこといわないでちょうだい!私はあんなのゴメンだからね!」





ルナは照れ隠しにスバルを怒鳴りつける。









    
「・・・・・言うと思っ・・・た・・・・。」









少し笑いながらそうつぶやくとそのまま事切れるスバル。     





「きゃ?!」     
「スバル?!」




3人はヒヤッとしてスバルを見る。・・・と。
安心したのだろうか、ゴン太の背中で寝息をたてている。
とたんに脱力し、ズッコけてしまう3人。









    
「なんだよ、寝てるだけかよ・・・・。(汗)」     
「・・・ほんとに驚かされっぱなしです(汗)」









スバルの無防備な寝顔をチラとみやり、ルナはぼそりとつぶやいた。









    
「・・・バカ・・・・・・。」









                  
おわり・・・・。2007/02/24作成5                           
        2007/11/06改訂版作成



















●あとがきもどき●

アニメの五陽田警部はツンデレだと思うですよ。
なにげにロックマンを頼りにしちゃってるトコロとか。
ゲームのピッチングマシンが弱点な五陽田も好きなんですけどね。

今回はロクルナ♪
自覚ナシでロックマンにメロメロちゃうルナに複雑なスバル。

自分で自分にヤキモチとかオマエもうどんだけ(はいはい)





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